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留針
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とめばり
ふりがな文庫
“
留針
(
とめばり
)” の例文
相手は
薄羅紗
(
うすらしゃ
)
の
外套
(
がいとう
)
に
恰好
(
かっこう
)
のいい姿を包んで、
顋
(
あご
)
の下に真珠の
留針
(
とめばり
)
を輝かしている。——高柳君は相手の姿を見守ったなり黙っていた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大帝は
弾
(
はじ
)
き飛ばされたやうに椅子から飛び上つた。そして主人の指さす方を見かへると、それは丁度自分の頭の上で、
留針
(
とめばり
)
で刺された油虫はぴくぴく手足を動かせてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
されどそれも皆夫人が足運び来給はるにて、私は
此
(
この
)
日も甲斐なく
寝台
(
ねだい
)
に横たはり
居
(
を
)
りしに
候
(
さふらふ
)
。昼前に久し
振
(
ぶり
)
にて
鬢
(
びん
)
にさし
櫛
(
ぐし
)
する髪に結ひ上げ
候
(
さふら
)
ひしは、帽子の
留針
(
とめばり
)
のために
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
二つの
劔
(
つるぎ
)
は
切尖
(
きっさき
)
から𣠽頭まで、二本のダイヤモンド
留針
(
とめばり
)
のように光っていた。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
女は
何
(
な
)
にも云わずに眼を横に向けた。こぼれ梅を一枚の
半襟
(
はんえり
)
の
表
(
おもて
)
に掃き集めた
真中
(
まんなか
)
に、
明星
(
みょうじょう
)
と見まがうほどの
留針
(
とめばり
)
が
的皪
(
てきれき
)
と
耀
(
かがや
)
いて、男の眼を射る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
剣は持主が手入れを怠けたせいか、古い
留針
(
とめばり
)
のように
尖端
(
さき
)
が少し錆びかかっていました。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
針
常用漢字
小6
部首:⾦
10画
“留”で始まる語句
留
留守
留守居
留置
留守番
留南奇
留吉
留守中
留金
留度