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留針
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ピン
ふりがな文庫
“
留針
(
ピン
)” の例文
見るとその男は両手を高く
挙
(
あ
)
げて、こっちを向いておもしろい
恰好
(
かっこう
)
をしている。ふと、気がついて、頭に手をやると、
留針
(
ピン
)
がない。
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
その店のある
階床
(
フロア
)
には固
護謨
(
ゴム
)
製の品を山と積んだ卓子が沢山あった。櫛、腕輪、胸にさす
留針
(
ピン
)
、安っぽい装身具、すべて言語に絶した野蛮な物である。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
まぶたひとつ、唇ひとつ、うごかすこともできず、まるで顔がかさかさに
乾
(
ひ
)
あがって木になって、頭は
留針
(
ピン
)
のあたまみたいに、縮まったような気がする。
ねむい
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼女の
許婚
(
いいなずけ
)
が戦争に出掛ける時、ブランシュは、彼に
留針
(
ピン
)
を一本贈った。彼はそれを大事に取っておくと誓った。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
髭
(
ひげ
)
は一躍して紳士の域に
上
(
のぼ
)
る。小野さんは、いつの間にやら黒いものを蓄えている。もとの書生ではない。
襟
(
えり
)
は
卸
(
おろ
)
し立てである。飾りには
留針
(
ピン
)
さえ肩を動かすたびに光る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その
眩
(
まぶ
)
しい緑色の中に、ツイ今しがた発見した黒い、
留針
(
ピン
)
の頭ほどの焼け
焦
(
こ
)
げが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
乃公は
余
(
あんま
)
り腹が立ったから、そっと起き出して、其奴の足を
留針
(
ピン
)
で
突
(
つっつ
)
いてやった。突いた時丈けは音なしくするが、少し経つと又直ぐに始める。それで乃公は五六度
臥
(
ね
)
たり起きたりした。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
おそろしく細くて短かい
綾織木綿
(
あやおりもめん
)
の白ズボンをはいて、なかなか
凝
(
こ
)
った燕尾服を
著
(
き
)
ていたが、下からは、青銅のピストル型の飾りのついたトゥーラ製の
留針
(
ピン
)
を挿したシャツの
胸当
(
むねあて
)
が覗いていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
残っているほうの手で、彼はその袖をつまみ上げ、二つに折って、きちんと肩のところへ
留針
(
ピン
)
で留めた。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その一つは馬毛でつくった、簡単な袋みたいなもので、その内側にはてっぺんから、鼈甲製の
留針
(
ピン
)
がぶら下り、これを頭上の短い
丁髷
(
ちょんまげ
)
にさし込んで、帽子が飛ばぬようにする。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
ちょうど
金屏風
(
きんびょうぶ
)
に銀で
画
(
か
)
いた松の葉のようにそっと落ちているアルミニウムの
留針
(
ピン
)
。
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
中には、鳥打帽の前庇を止める、金文字付きの
留針
(
ピン
)
がズラリと並んでいる。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
牧師は矢張り例の
長氏
(
おさし
)
であった。乃公は清水さんの後に坐って、背中にハンケチを
留針
(
ピン
)
で附けてやったが、清水さんは一向知らないでいる。相変らずちょち、ちょち旦那さまを
定
(
き
)
め込んでいる。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「それなら、この
留針
(
ピン
)
を持っていると、僕に運が向くって言うんでしょう」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
針
常用漢字
小6
部首:⾦
10画
“留”で始まる語句
留
留守
留守居
留置
留守番
留南奇
留吉
留守中
留金
留度