“くしけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
80.0%
20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
劇場から帰ってきて見ると死者のひげは綺麗にられ、顔も美しく化粧され、髪も香水がつけてくしけずられてあり、新しい礼装をさせられて花輪を胸に載せ、ひつぎの中に横たわらせられてあった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
粗野な窮惜大きゅうそだいとして終始し、——くしけずらぬ獅子の髪、烱々けいけいたるわしの眼、伸び放題の不精髯ぶしょうひげ衣嚢かくし一杯に物を詰めて、裏返しになった上着、底のいたんだくつ——そういった姿でウィーンの内外を横行し
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
ところが幾日いくかとなく洗いもくしけずりもしない髪が、あぶらあかで余の頭をうずくそうとする汚苦むさくるしさにえられなくなって、ある日床屋を呼んで、不充分ながら寝たまま頭に手を入れて顔に髪剃かみそりを当てた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)