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苦笑
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くせう
ふりがな文庫
“
苦笑
(
くせう
)” の例文
と
独
(
ひとり
)
で
苦笑
(
くせう
)
する。
其
(
そ
)
のうちに、
何故
(
なぜ
)
か、バスケツトを
開
(
あ
)
けて、
鍋
(
なべ
)
を
出
(
だ
)
して、
窓
(
まど
)
へ
衝
(
つ
)
と
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
たくてならない。
指
(
ゆび
)
さきがむづ
痒
(
がゆ
)
い。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
苦笑
(
くせう
)
したので、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
をはじめ、
一座
(
いちざ
)
の
面々
(
めん/\
)
、
餘
(
あま
)
りの
可笑
(
をか
)
しさに、
一時
(
いちじ
)
にドツと
笑崩
(
わらひくづ
)
るゝ
間
(
あひだ
)
に、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
平氣
(
へいき
)
な
顏
(
かほ
)
で
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
ひ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「わし
等
(
ら
)
※
(
あね
)
はお
内儀
(
かみ
)
さん、
碌
(
ろく
)
でなしですかんね」
彼
(
かれ
)
は
恥
(
は
)
ぢてさうして
自分
(
じぶん
)
を
庇護
(
かば
)
ふやうに
其
(
そ
)
の
※
(
あね
)
といふのを
卑下
(
くさ
)
して
僻
(
ひが
)
んだやうな
苦笑
(
くせう
)
を
敢
(
あへ
)
てした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、
話
(
はな
)
し
聞
(
き
)
かせてゐる
内
(
うち
)
に、
夫
(
をつと
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
には二三
日
(
にち
)
前
(
まへ
)
の
妻
(
つま
)
との
對話
(
たいわ
)
が
不意
(
ふい
)
に
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
夫
(
をつと
)
は
我
(
われ
)
知
(
し
)
らず
苦笑
(
くせう
)
した。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
笑
(
わらひ
)
は量的に分てば
微笑
(
びせう
)
哄笑
(
こうせう
)
の二種あり。質的に分てば
嬉笑
(
きせう
)
嘲笑
(
てうせう
)
苦笑
(
くせう
)
の三種あり。……予が最も愛する笑は嬉笑嘲苦笑と兼ねたる、爆声の如き哄笑なり。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「うん、
實
(
じつ
)
は
濟
(
す
)
まないがあの
儘
(
まゝ
)
だ。
手紙
(
てがみ
)
も
今日
(
けふ
)
やつとの
事
(
こと
)
で
書
(
か
)
いた
位
(
くらゐ
)
だ。
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
がないよ。
近頃
(
ちかごろ
)
神經衰弱
(
しんけいすゐじやく
)
でね」と
眞面目
(
まじめ
)
に
云
(
い
)
ふ。
小六
(
ころく
)
は
苦笑
(
くせう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しかれ
)
どもこの
癖漢
(
へきかん
)
の
冷々
(
れい/\
)
たる
苦笑
(
くせう
)
を
起
(
おこ
)
すのみなる
事
(
こと
)
を
示
(
しめ
)
し、
實際家
(
じつさいか
)
を
卑
(
いや
)
しむの
念
(
ねん
)
をあらはし、「でなくば
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てんのみ。
運命
(
うんめい
)
に
服從
(
ふくじゆう
)
し、
百事
(
ひやくじ
)
を
放擲
(
はうてき
)
し」、
云々
(
しか/″\
)
の
語
(
ご
)
を
發
(
はつ
)
せしむるに
至
(
いた
)
る。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
春葉
(
しゆんえふ
)
はこれより
先
(
さき
)
、ぐぢ、と
甘鯛
(
あまだひ
)
の
區別
(
くべつ
)
を
知
(
し
)
つて、
葉門中
(
ゑふもんちう
)
の
食通
(
しよくつう
)
だから、
弱
(
よわ
)
つた
顏
(
かほ
)
をしながら、
白
(
しろ
)
い
差味
(
さしみ
)
にわさびを
利
(
き
)
かして
苦笑
(
くせう
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんなこといふもんぢやねえ、
又
(
また
)
拘引
(
つゝてか
)
れたらどうする、そん
時
(
とき
)
は
汝
(
われ
)
でも
行
(
え
)
くのか」
勘次
(
かんじ
)
は
恁
(
か
)
ういつて
苦笑
(
くせう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
すると菊池は
苦笑
(
くせう
)
しながら、
鄰
(
となり
)
にゐた奥さんにパラソルを返した。僕は
早速
(
さつそく
)
文芸論の代りに
菊池
(
きくち
)
の放心を攻撃した。菊池の降参したのはこの時だけである。
続澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
苦笑
(
くせう
)
しながら
窓硝子
(
まどがらす
)
を
離
(
はな
)
れて
又
(
また
)
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
したが、それから
半町
(
はんちやう
)
程
(
ほど
)
の
間
(
あいだ
)
は
何
(
なん
)
だか
詰
(
つま
)
らない
樣
(
やう
)
な
氣分
(
きぶん
)
がして、
徃來
(
わうらい
)
にも
店先
(
みせさき
)
にも
格段
(
かくだん
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
拂
(
はら
)
はなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「はは、かうなりやあ
人間
(
にんげん
)
もみじめだ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
暗闇
(
くらやみ
)
の
中
(
なか
)
で
我知
(
われし
)
らず
苦笑
(
くせう
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
大佐
(
たいさ
)
は
苦笑
(
くせう
)
しながら
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この
時
(
とき
)
の
鼠
(
ねずみ
)
の
憎
(
にく
)
さは、
近頃
(
ちかごろ
)
、
片腹痛
(
かたはらいた
)
く、
苦笑
(
くせう
)
をさせられる、あの
流言蜚語
(
りうげんひご
)
とかを
逞
(
たくま
)
しうして、
女小兒
(
をんなこども
)
を
脅
(
おびや
)
かす
輩
(
ともがら
)
の
憎
(
にく
)
さとおなじであつた。……
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕はロシユフウコオルの格言を思ひながら、この記事を読んだ時、実際
苦笑
(
くせう
)
せずにはゐられなかつた。それを思へば日本の文壇は、新開地だけに悪風も少い。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そりやさうですがね、お
内儀
(
かみ
)
さん」
勘次
(
かんじ
)
は
何
(
なん
)
だが
隱事
(
いんじ
)
でも
發
(
あば
)
かれたやうに
慌
(
あわ
)
てゝいつてさうして
苦笑
(
くせう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
云
(
い
)
つて、
主人
(
しゆじん
)
はわざと
箸
(
はし
)
で
金玉糖
(
きんぎよくたう
)
を
挾
(
はさ
)
んで、
宗助
(
そうすけ
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
した。
宗助
(
そうすけ
)
は
苦笑
(
くせう
)
しながら、それを
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
靜坐
(
せいざ
)
するに
堪
(
た
)
へなく
成
(
な
)
つて、
急
(
きふ
)
に
衝
(
つ
)
と
立
(
た
)
つと、
頭
(
あたま
)
がふら/\としてドンと
尻
(
しり
)
もちをついて、
一人
(
ひとり
)
で
苦笑
(
くせう
)
した。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
友
(
とも
)
だちは、
反感
(
はんかん
)
と
輕侮
(
けいぶ
)
を
持
(
も
)
つ。
精々
(
せい/″\
)
同情
(
どうじやう
)
のあるのが
苦笑
(
くせう
)
する。と
云
(
い
)
つた
次第
(
しだい
)
だが……たゞ
俥
(
くるま
)
に
掛
(
か
)
けては
乘
(
の
)
り
方
(
かた
)
がうまい、と——
最
(
もつと
)
も
御容子
(
ごようす
)
ではない——
曳
(
ひ
)
いてる
車夫
(
わかいしゆ
)
に
讚
(
ほ
)
められた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
踏
(
ふ
)
んだ
石
(
いし
)
の、
崖
(
がけ
)
を
崩
(
くづ
)
れかゝつたのを、
且
(
か
)
つ
視
(
み
)
て
苦笑
(
くせう
)
した。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、うつかり
言
(
い
)
つて、
挨拶
(
あいさつ
)
して、
私
(
わたし
)
たちは
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て
苦笑
(
くせう
)
した。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おとしよりたちも
然
(
さ
)
う
言
(
い
)
つて
苦笑
(
くせう
)
をされたものである。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
はつしやる。」と……お
婆
(
ばあ
)
さんは
苦笑
(
くせう
)
した。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
二人
(
ふたり
)
が
苦笑
(
くせう
)
した。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“苦笑”の意味
《名詞》
苦 笑(くしょう)
怒りや不快感を持ちながらやむを得ず笑うこと。にがわらい。
(出典:Wiktionary)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“苦”で始まる語句
苦
苦悶
苦々
苦痛
苦患
苦力
苦労
苦手
苦衷
苦心