“たまたま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タマタマ
語句割合
偶々48.1%
18.8%
偶〻13.0%
稀〻8.4%
適々3.9%
稀々1.9%
1.9%
会々1.3%
遇々1.3%
0.6%
(他:1)0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又一方には民間で拵えた木像が多く、此は名も知れないようになっているが、その中にはどうかして偶々たまたまいいものがある。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
偶々たまたま所謂いわゆる興味ある病症を見ても、それを研究して書いて置いて、業績として公にしようとも思わなかった。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
たまたま、その仙人に遇ったと云う事を疑う者があれば、彼は、その時、老人に書いて貰った、四句の語を出して示すのである。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
たまたま、「芭蕉俳句定本」を読んでゐるうちに、海彼岸の文学の影響を考へたから、「芭蕉雑記」の後に加へることにした。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やむを得ず非礼を冒して、偶〻たまたま坐右にあるというだけの理由で、某氏の手に成るすぐれた飜訳をその原文と対照することにする。
翻訳遅疑の説 (新字新仮名) / 神西清(著)
そのさい、ほかの御用もあったので、出版局の春海局次長や顧問の嘉治隆一氏なども偶〻たまたま御一しょであった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実、彼女が、稀〻たまたまここへ来るのは、阿片を求めに来るのと、男女の不良隊と密談の必要ある場合を出ないようである。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故にひとたび、父なる人が稀〻たまたまのすがたを、そこに見せた夜の奥曲輪というものは、たいへんな賑わいであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから適々たまたま借りた金が返せないとなつた時の不都合は凡そ愚劣で話にならない。
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
適々たまたま高煦こうこう華衆かしゅう等を率いて至り、追兵を撃退して去る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
稀々たまたまのお召しというやつがないと、ここにいても、随分わるくはないが、あれが、苦手にがてじゃて」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博士は私に対しては、努めていろいろの話をされるにもかかわらず、夫人に対しては、必要な言葉以外には殆ど話しかけられず、稀々たまたま話しかけられる言葉も、いつでもせいぜい四五文字にしかならない短いものだった。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
これたまたまもって軍旅のえいぎ、貔貅ひきゅうたんを小にするに過ぎざるのみ、なりというからず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかしわたくしは隅田川の蒹葭を説いてたまたまレニエーの詩に思及ぶや、その詩中の景物に蒹葭を用いたもののすくなからぬことを言わねばならない。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
会々たまたま其等の新運動にたづさはつてゐる人々の作を、時折手にする雑誌の上で読んでは、其詩の拙い事を心ひそかに喜んでゐた。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
会々たまたま宗徒の部将有江休意よしとも、黒髪赤顔眼光人を射る六尺の長身をおどらして至った。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
氏は大方の場合には、田園の長者ぶりの持主であるが、遇々たまたま相手を瞶められる時、博士の威厳が眉宇びうに現われ、寄っ付けない程に鋭くなると。
小酒井不木氏スケッチ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
遇々たまたま父の館へ帰つてきて裏切の話を耳にとめ父兄を諫めたが容れられる段ではない。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
たまたままた暴飇ぼうひょう起り、おくひるがえす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かかるとき、偶偶たまたますゝけたる赤黒あかぐろき空氣の幕が、
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)