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適
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たまたま
ふりがな文庫
“
適
(
たまたま
)” の例文
しかしわたくしは隅田川の蒹葭を説いて
適
(
たまたま
)
レニエーの詩に思及ぶや、その詩中の景物に蒹葭を用いたものの
尠
(
すくな
)
からぬことを言わねばならない。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一たび
離
(
わか
)
れまゐらせて後、
一〇二
たのむの秋より
前
(
さき
)
に恐ろしき世の中となりて、里人は皆家を捨てて海に
漂
(
ただよ
)
ひ山に
隠
(
こも
)
れば、
適
(
たまたま
)
に残りたる人は、多く
一〇三
虎狼
(
こらう
)
の心ありて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
適
(
たまたま
)
「北越雪譜」を読んでゐたら、著者鈴木
牧之
(
ぼくし
)
が苗場山へ登つた記事がでてゐた。山頂に天然の苗田らしいものがあるといふので、その奇観を見るために同好の士と登つたのである。
日本の山と文学
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
これ
適
(
たまたま
)
以
(
もっ
)
て軍旅の
鋭
(
えい
)
を
殺
(
そ
)
ぎ、
貔貅
(
ひきゅう
)
の
胆
(
たん
)
を小にするに過ぎざるのみ、
智
(
ち
)
なりという
可
(
べ
)
からず。燕王と戦うに及びて、官軍時に
或
(
あるい
)
は勝つあるも、
此
(
この
)
令あるを
以
(
もっ
)
て、
飛箭
(
ひせん
)
長槍
(
ちょうそう
)
、燕王を
殪
(
たお
)
すに至らず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
因テ二、三ノ従游スルモノト
相謀
(
あいはか
)
リ諸家ノ麗藻ヲ選ンデ
梓
(
し
)
シテコレヲ伝ヘントシタリ。
適
(
たまたま
)
同人集ノ挙アリ遷延シテ果サズ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
然り而して其の文を
観
(
み
)
るに、各々
奇態
(
きたい
)
を
奮
(
ふる
)
ひ、
啽哢
(
あんろう
)
真
(
しん
)
に
逼
(
せま
)
り、
低昂宛転
(
ていかうゑんてん
)
、読者の心気をして
洞越
(
どうゑつ
)
たらしむるなり。事実を千古に
鑑
(
かんが
)
みらるべし。
余
(
よ
)
適
(
たまたま
)
鼓腹
(
こふく
)
の閑話あり、口を
衝
(
つ
)
きて吐き
出
(
い
)
だす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
聖護院親王
固
(
もと
)
ヨリソノ名ヲ聞ケリ。召シテ師トナス。先生ノ王門ニ遊ブヤ爵禄俸銭ハ辞シテ受ケズ。先生
適
(
たまたま
)
脚気
(
かっけ
)
ヲ病ム。勢
甚
(
はなはだ
)
危篤ナリ。先生男典ニイツテ曰ク墳墓ノ異郷ニアルハ子孫ノ累ナリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
適
常用漢字
小5
部首:⾡
14画
“適”を含む語句
適合
適当
適宜
快適
適當
適切
適々
悠々自適
適確
適中
不適當
適用
適例
胡適
閑適
適役
適否
室適
適応
適従
...