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偶
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ぐう
ふりがな文庫
“
偶
(
ぐう
)” の例文
鶴ほどに長い頸の中から、すいと出る
二茎
(
ふたくき
)
に、十字と四方に囲う葉を境に、
数珠
(
じゅず
)
に
貫
(
ぬ
)
く露の
珠
(
たま
)
が
二穂
(
ふたほ
)
ずつ
偶
(
ぐう
)
を作って咲いている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
言語は
元
(
もと
)
より多端なり。
山
(
さん
)
と云ひ、
嶽
(
がく
)
と云ひ、
峯
(
ほう
)
と云ひ、
巒
(
らん
)
と云ふ。義の同うして字の異なるを用ふれば、即ち意を隠微の
間
(
かん
)
に
偶
(
ぐう
)
するを得べし。
大食
(
おほぐら
)
ひを
大松
(
だいまつ
)
と云ひ
差出者
(
さしでもの
)
を
左兵衛次
(
さへゑじ
)
と云ふ。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
肉の足らぬ
細面
(
ほそおもて
)
に予期の
情
(
じょう
)
を
漲
(
みなぎ
)
らして、重きに過ぐる唇の、
奇
(
き
)
か
偶
(
ぐう
)
かを疑がいつつも、
手答
(
てごたえ
)
のあれかしと念ずる様子である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
星の世は
掃
(
は
)
き落されて、大空の皮を奇麗に
剥
(
は
)
ぎ取った白日の、隠すなかれと立ち
上
(
のぼ
)
る窓の
中
(
うち
)
に、四人の小宇宙は
偶
(
ぐう
)
を作って、ここぞと互に
擦
(
す
)
れ違った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶
常用漢字
中学
部首:⼈
11画
“偶”を含む語句
偶然
配偶
木偶
土偶
配偶者
偶人
偶々
偶〻
偶像
木偶坊
偶中
匹偶
偶数
偶然性
土偶像
時偶
偶合
偶時
偶座
土偶人形
...