“左様:さう” の例文
“左様:さう”を含む作品の著者(上位)作品数
島崎藤村4
牧野信一3
石川啄木2
夏目漱石2
泉鏡花2
“左様:さう”を含む作品のジャンル比率
言語 > 言語 > 言語学11.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
文学 > 日本文学 > 日本文学0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
斯う云って、主人は細君の額に一寸接吻する。細君は細君で「ほんとに左様さうだ。妾のフェルナン」と答えていつも機嫌がいい。
二人のセルヴィヤ人 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
斯う種々いろ/\に考へて、疑つたり恐れたりして見たが、多くの客を相手にする主婦の様子は左様さう心配した程でも無い。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
左様さうサ……。」と御隠居さんも声を低くして、「それはさうと、柿田さんを彼様あゝして附けて置いても可からうか……。」
死の床 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「まあ左様さう二人で取附とツつかないで頂戴よ……姉さんを休ませて頂戴よ……暑くつて仕様しやうが無いんだから……」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『さう/\。』と丑松も思出したやうに、『たしか僕等の来る前の年に卒業して出た人です。土屋君、左様さうだつたねえ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「長ちやん、左様さう人に取附とツつくものぢやないの——いやよ——いやよ——御覧なさいナ、髪がこはれるぢや有りませんか。」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると門野かどの何時いつでも、左様さうでせうか、とか、左様そんなもんでせうか、とかこたへる丈である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それは、左様さうだらう」と答へた。平岡はあまり此返事の冷淡なのに驚ろいた様子であつた。が、又あとをけた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はじめは先生せんせいわらひながら、ま、あなたが左様さうおもつてるのなら、しばらくさうしてきましやう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何卒どうぞ、私の書いたものをよく読んで見て下さい。」左様さう言つて置いて奥さんの前を引退ひきさがつた。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「御隠居さんに左様さう言つて頂くと……猶更なほさら……折角せつかく是迄にして……是迄に辛苦して……。」
死の床 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
左様さうして彼は、毎朝日課のやうに、何となく洞ろな感じに苦しい、酷く騒々しい手水を使ふやうになつてゐた。
秋晴れの日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
他の銅像達が左様さうであるやうに彼等も本来の自分の名前を呼び合ふ代りに、銅像の名称で称び合つてゐた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
左様さうしてくれるんか。えらい覚悟をしてくれた。何んせ、学問よりや、名誉よりや、身代が大切ぢやで、えゝとこへ気がついた」と父が言つた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
左様さうぢや無いの、芳ちやん」と、姉は静に妹を制しつ「わたしはネ、誰の御嫁にもならないの」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
左様さうねエ、ぢや私、両方へ嫁きませうか」と、姉は振り返つて嫣然につこと笑ふ、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
船頭「左様さうでもごぜへますめへ。秀八と寝言ねごとの手がありやアしませんかね。」
町中の月 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「故人の意に反して」といふ批難は辞しやうが無いが、左様さういふ批難を加へらるゝ人々に対しては、我々が故人に向つて持つ敬意を聊かは考慮せられんことを請ふて置く。
一葉の日記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
左様さうかと思ふと、ゆるい流れのところへ出て、岸から垂下るやなぎの枯枝がバラ/\船の屋根へ触つたり、船頭がいで行くの音が水に響いて聞えたりした。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
左様さうかも知れません。この頃かういふ事が流行ださうですから。」
姉弟と新聞配達 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
『マア、左様さうで御座いますか!』と一層驚いて、『わたしもアノ、其家そこへ参りますので……渡辺さんの妹様いもうとさんと、私と矢張やはり同じクラスで御座いまして。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
客「ムヽ左様さうだつけの。」(ト言ひながら船にいたる。)
町中の月 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
従つて近時の翻訳は粗雑であるとか、乱暴であるとかいふのも筋の通らない論である、えて左様さういふ事は老人の言であるが——現筆者も老人であるが——それは全く事理をわきまへぬ言である。
翻訳製造株式会社 (新字旧仮名) / 戸川秋骨(著)
何故となれば、現に今自分を見て居るこの男の右の眼の、親しげな、なつかしげな、心置きなき和かな光が、別に理由を説明するでもないが、何だか、『左様さうではありませぬ』と主張して居る様に見える。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「本当に左様さうでもて貰はねいぢや……」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「それは左様さうだらう」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
アヽ左様さう
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それでも親の慈悲や兄のなさけうかして学校へもく様に真人間にしてりたいと思へばこそ性懲しやうこりけよう為に、昨夜ゆうべだつて左様さうだ、一晩裸にして夜着よぎせずに打棄うつちやつて置いたのだ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
五日晴 怖ろしい音が屋根に響いたので思はず眼を醒す、ワイ/\といふ声がするので窓から首を出して眺めると眼下の雑貸屋のトタン屋根にダルマ凧がおちたのだ、此処の屋根におちたのかと聞き違へたが左様さうではなかつた、多数の人々が長竿や梯子を持つていつまでも騒いでゐた。
五月のはじめ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
人生は左様さう都合よくは出来て居らんぞ。……然し何も、君が死にに行くといふではなし、また、また、僕だつて未だ死にはせん。……決して死にはせんのだから、さうだ、再逢の期が遂に無いとは云はん。たゞ、それを頼りに思つて居ると失望する事がないとも限らない。詰らぬ事を頼りにするな。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
左様さうした立場から眺めると、如何いかすさまじい光景でも、如何になまぐさい舞台でも、それに相応した内面的背景をそなへて居ないといふ点において、又それに比例した強硬な脊髄を有して居ないといふ意味に於て、浅薄な活動写真だの軽浮けいふなセンセーシヨナル小説だのとえらぶ所がないやうな気になる。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)