然様さう)” の例文
旧字:然樣
さて将門は良将の子であるが、長子かといふに然様さうでは無い。大日本史は系図につたと見えて第三子としてゐるが、第二子としてゐる人もある。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
高望王が上総介、六孫王が武蔵介、およそかゝる身分の人〻がかゝる官に任ぜられたのは当時のならひであるから、興世王もけだ然様さういふ人と考へて失当しつたうでもあるまい。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其時分は折節然様さういふ人が有つたもので、律詩りつしの一二章も座上で作ることが出来て、一寸米法べいはふ山水さんすゐ懐素くわいそくさい草書で白ぶすまを汚せる位の器用さを持つたのを資本もとで
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ところがをかしいこともあればあるもので、将門の方で貞盛を悪く思ふとか悪くうはさするとかならば、媢嫉猜忌ばうしつさいきの念、俗にいふ「やつかみ」で自然に然様さういふ事も有りさうに思へるが
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)