さう)” の例文
旧字:
われにぎつて、さうまなこあきらかにさいを、多勢たぜい暗中あんちゆう摸索もさくして、ちやうか、はんか、せいか、か、と喧々がや/\さわてるほど可笑をかしことい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「まだあるよ。淺草馬道の壽滿寺じゆまんじでは、狩野法眼元信の高士觀瀑かうしくわんばくの幅が盜られ。日本橋本銀ほんぎん町の阿波屋藤兵衞は雪舟の秋景山水の六曲一さう屏風びやうぶがやられてゐる」
さうして上衣の隠しを探ると、翡翠ひすゐの耳環を一さう出して、手づから彼女の耳へ下げてやつた。
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ともしびにひかる鏡のおもてにいきいきとわがさうまなこ燃ゆ。
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
太しきさうの羽根さへも起居たちゐ妨ぐ足まとひ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さうの眼を弾丸たまに射られて
寂寞 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
さうたま乳房ちぶさにも、糸一条いとひとすぢあやのこさず、小脇こわきいだくや、彫刻家てうこくか半身はんしんは、かすみのまゝに山椿やまつばきほのほ𤏋ぱつからんだ風情ふぜい
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さう手振てぶりの怪しきは
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
きふまた雪枝ゆきえは、宛然さながら稚子おさなごるやうに、両掌りやうてさうしかてゝ、がつくり俯向うつむく、背中せなかくもかげくらした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さうひたひをこもごもに
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)