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左樣
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さう
ふりがな文庫
“
左樣
(
さう
)” の例文
新字:
左様
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
りやあ
生身
(
なまみ
)
をぐつ/\
煮着
(
につ
)
けたのだ、
尾頭
(
をかしら
)
のあるものの
死骸
(
しがい
)
だと
思
(
おも
)
ふと、
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わる
)
くツて
食
(
た
)
べられねえツて、
左樣
(
さう
)
いふんだ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
結構
(
けつこう
)
らしい、
事
(
こと
)
ばかり
思
(
おも
)
ひます、
左樣
(
さう
)
いふ
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ふにつけて
現在
(
げんざい
)
の
有
(
あり
)
さまが
厭
(
いや
)
で
厭
(
いや
)
で、
何
(
ど
)
うかして
此中
(
このなか
)
をのがれたい、
此絆
(
このきづな
)
を
斷
(
た
)
ちたい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
太助とは、山の神の
祠
(
ほこら
)
のあるところへ餅を供へにも行つたことが有ります。都會の子供などと違ひ、玩具も
左樣
(
さう
)
自由に手に入りません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り
左樣
(
さう
)
か」と
云
(
い
)
つたが、
冗談
(
じようだん
)
でもなかつたと
見
(
み
)
えて、
別
(
べつ
)
に
笑
(
わらひ
)
もしなかつた。
細君
(
さいくん
)
も
近
(
きん
)
の
字
(
じ
)
は
丸
(
まる
)
で
氣
(
き
)
にならない
樣子
(
やうす
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
左樣
(
さう
)
でせう、確かに左樣だらうと思つた、サ、
何卒
(
どうぞ
)
お二階にお上り下さい、實は東京からあなたを
探
(
たづ
)
ねていらした方があるのです、と言ふ。
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
▼ もっと見る
己
(
おれ
)
が人殺しなどとは能も/\云をつたな是迄恩を掛しが却つて仇と成たかと云をお文は
打消
(
うちけし
)
オヤマア夫は
何程
(
なんぼ
)
口が在と云ても
左樣
(
さう
)
自由
(
ちやうはう
)
なことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
最
(
もつと
)
も
左樣
(
さう
)
する
前
(
まへ
)
に
老人
(
らうじん
)
と
小聲
(
こゞゑ
)
で
一寸
(
ちよつ
)
と
相談
(
さうだん
)
があつたらしく、
金貸
(
かねかし
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は『
勿論
(
もちろん
)
のこと』と
言
(
い
)
ひたげな
樣子
(
やうす
)
を
首
(
くび
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
で
見
(
み
)
せてたのであつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
近
(
ちか
)
い
樣
(
やう
)
でも
海上
(
かいじやう
)
の三
里
(
り
)
は
容易
(
ようゐ
)
でない、
無限
(
むげん
)
の
大海原
(
おほうなばら
)
に
漂
(
たゞよ
)
つて
居
(
を
)
つた
間
(
あひだ
)
こそ、
島
(
しま
)
さへ
見出
(
みいだ
)
せば、
直
(
たゞ
)
ちに
助
(
たす
)
かる
樣
(
やう
)
に
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
つたが、
仲々
(
なか/\
)
左樣
(
さう
)
は
行
(
ゆ
)
かぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『
我々
(
われ/\
)
は
未
(
ま
)
だ
隱居
(
いんきよ
)
するには
早
(
はや
)
いです。ハヽヽ
左樣
(
さう
)
でせうドクトル、
未
(
ま
)
だ
隱居
(
いんきよ
)
するのには。』
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
は
云
(
い
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
童子の美質のものの如きは
左樣
(
さう
)
では無い。純氣未だ毀れざるものは、晝間は極少々ばかり極めて適度に血が上昇して居る。即ち腦の方は少々餘計に血が上つて居る。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
待ちましたと云ふ諸事
左樣
(
さう
)
來て貰ひたしさすがは下諏訪の龜屋なりと
稱
(
たゝ
)
へ
土産
(
みやげ
)
にとて贈られたる名物
氷餅
(
こほりもち
)
を旅荷物の
中
(
うち
)
へ入れて
馬
(
うま
)
ち
遠
(
どほ
)
であツたと
馬士
(
まご
)
にも挨拶して
此
(
こゝ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「
左樣
(
さう
)
か、そんな病氣なら、少し炭を持つて來て呉れ、湯を沸すから。」と又淋しく笑ひました。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「サア、それは自分でも疑つたのです。けれども
如何
(
どう
)
も
左樣
(
さう
)
とは考へられません。」
貝殻追放:016 女人崇拝
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「
左樣
(
さう
)
さね」ともう梶棒を握り上げて突立つて居る車夫は
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
たしか
左樣
(
さう
)
と
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
りまするけれど
今
(
いま
)
は
少
(
すこ
)
しも
恨
(
うら
)
む
事
(
こと
)
をいたしません、なるほど
此話
(
このはな
)
しを
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さらぬが
旦那樣
(
だんなさま
)
の
價値
(
しんしやう
)
で
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左樣
(
さう
)
だ、
今頃
(
いまごろ
)
は
彌六
(
やろく
)
親仁
(
おやぢ
)
がいつもの
通
(
とほり
)
、
筏
(
いかだ
)
を
流
(
なが
)
して
來
(
き
)
て、あの、
船
(
ふね
)
の
傍
(
そば
)
を
漕
(
こ
)
いで
通
(
とほ
)
りすがりに、
父上
(
ちやん
)
に
聲
(
こゑ
)
をかけてくれる
時分
(
じぶん
)
だ
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
父
(
とう
)
さんが
石垣
(
いしがき
)
の
側
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
る
度
(
たび
)
に、
蛇苺
(
へびいちご
)
が
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つては
父
(
とう
)
さんを
誘
(
さそ
)
ひました。
蛇苺
(
はびいちご
)
は
毒
(
どく
)
だと
言
(
い
)
ひます。それを
父
(
とう
)
さんも
聞
(
き
)
いて
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そりや
私
(
わたし
)
もつい
見
(
み
)
なかつたの。けれども、
屹度
(
きつと
)
あの
相談
(
さうだん
)
よ。
今
(
いま
)
に
兄
(
にい
)
さんが
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たら
聞
(
き
)
いて
御覽
(
ごらん
)
なさい。
屹度
(
きつと
)
左樣
(
さう
)
よ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰
(
たれ
)
でも
左樣
(
さう
)
だが、
戰爭
(
いくさ
)
の
首途
(
かどで
)
とか、
旅行
(
たび
)
の
首途
(
かどで
)
に
少
(
すこ
)
しでも
變
(
へん
)
な
事
(
こと
)
があれば、
多少
(
たせう
)
氣
(
き
)
に
懸
(
か
)
けずには
居
(
を
)
られぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
老叟は
笑
(
わら
)
つて『
先
(
ま
)
づ
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
はるゝならそれでもよし、イザお
暇
(
いとま
)
を
仕
(
し
)
ましよう、
大
(
おほき
)
にお
邪魔
(
じやま
)
で
御座
(
ござ
)
つた』と
客間
(
きやくま
)
を出たので
雲飛
(
うんぴ
)
も
喜
(
よろこ
)
び
門
(
もん
)
まで
送
(
おく
)
り出て、内に
還
(
かへ
)
つて見ると
石
(
いし
)
が無い。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
念じこらへてナニサ
左樣
(
さう
)
でもないのサと平氣をつくろひ輕井澤に
下
(
お
)
りて鶴屋といふに着き風呂の先陣へ名乘て勇ましく風呂へ行きしが直ちには
跨
(
また
)
ぎて湯に
入
(
いら
)
れず少しく顏をしはめたり
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
左樣
(
さう
)
いふ過失や蹉躓に幸にして陷らぬとしても、一氣疾く盡きて、餘氣死せんと欲するやうになつて終ふから、書を讀んで居たのなら書を讀んで居ることも出來ず、字を寫して居たのなら
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして簡單に京都大阪奈良と答へてゐると、急に途中を遮つて、高野山に登つたらうと言ふ。まことに息を逸ませてゐる。私はもう素直に返事するのが不快になつた。で、
左樣
(
さう
)
だ、と言つた。
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「
左樣
(
さう
)
か。僕は親しくつきあつて居るやうに聞いたものだから……」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
『
左樣
(
さう
)
で御座いませうねえ。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
己
(
お
)
れは
其樣
(
そん
)
な
物
(
もの
)
は
貰
(
もら
)
ひたくない、お
前
(
まへ
)
その
好
(
い
)
い
運
(
うん
)
といふは
詰
(
つま
)
らぬ
處
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かうといふのではないか、
一昨日
(
をとゝひ
)
自家
(
うち
)
の
半次
(
はんじ
)
さんが
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自分は確に
左樣
(
さう
)
だと思つた。
夫
(
それ
)
にしても今頃何の必要があつて、隣りの
室
(
へや
)
で
大根卸
(
だいこおろし
)
を拵えてゐるのだか想像が付かない。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それも
左樣
(
さう
)
か。おい、
泣
(
な
)
かんでも
可
(
い
)
い、
泣
(
な
)
かないで、
大人
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
るとな、
直
(
す
)
ぐ
母樣
(
おつかさん
)
が
連
(
つ
)
れに
來
(
く
)
るんぢや。」
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
何
(
なに
)
、
左樣
(
さう
)
でない、
此
(
この
)
獸
(
じう
)
は
泥土
(
どろ
)
と、
松脂
(
まつやに
)
とで、
毛皮
(
けがわ
)
を
鐵
(
てつ
)
のやうに
固
(
かた
)
めて
居
(
を
)
るのだから、
小銃
(
せうじう
)
の
彈丸
(
たま
)
位
(
ぐらい
)
では
容易
(
ようゐ
)
に
貫
(
つらぬ
)
く
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ないのさ。』と
私
(
わたくし
)
は
慰
(
なぐさ
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
左樣
(
さう
)
言へば、四五日前に私はめづらしい蜜蜂が斯の町中の軒先へ飛んで來たのを見かけました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
若し
左樣
(
さう
)
で有つたならば、それは聽者にも談者にも、着手の處といふことが強く印記されて居なかつた爲として、省みなければならないので、教其の物に就て是非をす可きではないのであらう。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それでも既う諦めてゐるので從順に
左樣
(
さう
)
だよと答へて店先へ腰を下した。
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
『でなくても
左樣
(
さう
)
見
(
み
)
えますね』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
つけて向ふの村へ
何處
(
どこ
)
でも行きます廣さは十三里と云ますが
左樣
(
さう
)
はございません狐が渡るといふのも昔の話でハイ鯉や
鮒
(
ふな
)
鰻は大層捕れますダガ十月から彼岸時分まで氷で漁は出來ませんナニサ兎は少し取れますが
獸
(
けだもの
)
は
何處
(
どこ
)
も
此處
(
こゝ
)
も開けたので一疋も居なくなりましたハイ遊廓なんテ見られたもんでは
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
私
(
わたし
)
は
一人子
(
ひとりご
)
で
同胞
(
きやうだい
)
なしだから
弟
(
おとゝ
)
にも
妹
(
いもと
)
にも
持
(
も
)
つた
事
(
こと
)
は
一度
(
いちど
)
も
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
ふ、
左樣
(
さう
)
かなあ、それでは
矢張
(
やつぱり
)
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
いのだらう
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
障子
(
しやうじ
)
を
閉
(
た
)
てゝ
座敷
(
ざしき
)
へ
歸
(
かへ
)
つて、
机
(
つくゑ
)
の
前
(
まへ
)
へ
坐
(
すわ
)
つた。
座敷
(
ざしき
)
とは
云
(
い
)
ひながら
客
(
きやく
)
を
通
(
とほ
)
すから
左樣
(
さう
)
名
(
な
)
づける
迄
(
まで
)
で、
實
(
じつ
)
は
書齋
(
しよさい
)
とか
居間
(
ゐま
)
とか
云
(
い
)
ふ
方
(
はう
)
が
穩當
(
をんたう
)
である。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
左樣
(
さう
)
なんかねえ、
年紀
(
とし
)
の
故
(
せゐ
)
もあらう、
一
(
ひと
)
ツは
氣分
(
きぶん
)
だね、お
前
(
まへ
)
さん、そんなに
厭
(
いや
)
がるものを
無理
(
むり
)
に
食
(
た
)
べさせない
方
(
はう
)
が
可
(
い
)
いよ、
心持
(
こゝろもち
)
を
惡
(
わる
)
くすりや
身體
(
からだ
)
のたしにもなんにもならないわねえ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
斯樣
(
こん
)
な宿ぢや解らないサ。」とK君は笑つた。「料理屋へでも行つて
飮食
(
のみくひ
)
して見なけりや——僕はよく
左樣
(
さう
)
思ふよ、其土地土地の色は
彼樣
(
あゝ
)
いふ場所へ行つて見ると、一番よく出てる。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
うき世を切り髮の今日この頃、我が身にかゝる浮雲さへ大方は拂ひつくして、心の月のたかく澄むやうにと願ひながら、さて
左樣
(
さう
)
もならぬもの
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「斯うして天城を越すやうなことは、一生のうちに
左樣
(
さう
)
幾度も有るまいね。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれども、其頃自分の神經をあの位刺激した音の原因に就ては別に聞く氣も起らなかつた。で、あゝ
左樣
(
さう
)
かと云つたなり朱泥の鉢を拭いてゐた。すると女が突然少し改まつた調子で
斯
(
こ
)
んな事を云つた。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
前
(
まへ
)
さん
何時
(
いつ
)
か
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つたね、
運
(
うん
)
が
向
(
む
)
く
時
(
とき
)
になると
己
(
お
)
れに
糸織
(
いとおり
)
の
着物
(
きもの
)
をこしらへて
呉
(
く
)
れるつて、
本當
(
ほんたう
)
に
調製
(
こしら
)
へて
呉
(
く
)
れるかえと
眞面目
(
まじめ
)
だつて
言
(
い
)
へば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「僕の生涯には暗い影が近づいて來たやうな氣がするね、何となく斯う暗い
可畏
(
おそろ
)
しい影が——君は
其樣
(
そん
)
なことを思ひませんか。尤も、僕には兄が死んでる。だから餘計に
左樣
(
さう
)
思ふのかも知れない。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左樣
(
さう
)
ないてくれては
困
(
こま
)
る、お
民
(
たみ
)
どのも
同
(
おな
)
じやうに
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
ぞ、もう
逢
(
あ
)
はれぬと
言
(
い
)
ふでもなきに
心細
(
こヽろぼそ
)
き
事
(
こと
)
いひ
給
(
たま
)
ふな、
園
(
その
)
さま
何
(
なに
)
も
詫
(
わ
)
びらるヽ
事
(
こと
)
はなし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取
(
と
)
らへて
郡長
(
ぐんちやう
)
の
忰
(
せがれ
)
づらが
些少
(
いさゝか
)
の
恩
(
おん
)
鼻
(
はな
)
にかけての
無理難題
(
むりなんだい
)
やり
返
(
かへ
)
して
遣
(
や
)
りたけれど
女子
(
をなご
)
の
身
(
み
)
は
左樣
(
さう
)
もならず
柳
(
やなぎ
)
にうけるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
來
(
こ
)
いといつて
下
(
くだ
)
さるお
人
(
ひと
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るもなし、
浮氣
(
うはき
)
のやうに
思召
(
おぼしめし
)
ましようが
其日
(
そのひ
)
送
(
おく
)
りでござんすといふ、いや
左樣
(
さう
)
は
言
(
い
)
はさぬ
相手
(
あいて
)
のない
事
(
こと
)
はあるまい
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは伯母さま兄さまのお
傍
(
そば
)
にいつまでも暮らさるゝ物ならば夫れに上こす喜びはなけれど、
左樣
(
さう
)
あられぬが世のならひと聞けば、これも詮なきこと
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左樣
(
さう
)
であらう、
校内
(
かうない
)
一
(
いち
)
の
人
(
ひと
)
だとお
前
(
まへ
)
も
常
(
つね
)
に
褒
(
ほ
)
めたではないか、
其人
(
そのひと
)
であるから
決
(
けつ
)
してお
前
(
まへ
)
を
恨
(
うら
)
んで
死
(
し
)
ぬ、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
はある
筈
(
はず
)
がない、
憤
(
いきどほ
)
りは
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
してなので
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今日
(
けふ
)
癒
(
なほ
)
りまする、
癒
(
なほ
)
つて
兄樣
(
にいさん
)
のお
袴
(
はかま
)
を
仕立
(
したて
)
て
上
(
あ
)
げまする、お
召
(
めし
)
も
縫
(
ぬ
)
ふて
上
(
あ
)
げまする、それは
辱
(
かたじけな
)
し
早
(
はや
)
く
癒
(
なほ
)
つて
縫
(
ぬ
)
ふて
呉
(
く
)
れと
言
(
い
)
へば、
左樣
(
さう
)
しましたらば
植村樣
(
うゑむらさま
)
を
呼
(
よ
)
んで
下
(
くだ
)
さるか
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此通
(
このとほ
)
り
謝罪
(
あやまり
)
ますほどに、
何
(
ど
)
うぞ
御
(
お
)
免
(
ゆる
)
し
遊
(
あそば
)
して、いつもの
樣
(
やう
)
に
打解
(
うちと
)
けた
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せて
下
(
くだ
)
され、
御嫌機
(
ごきげん
)
直
(
なほ
)
して
下
(
くだ
)
されと
詫
(
わ
)
ぶるに、さては
左樣
(
さう
)
かと
少
(
すこ
)
し
我
(
が
)
の
折
(
を
)
れて、
夫
(
そ
)
れならば
其樣
(
そのやう
)
に
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左
常用漢字
小1
部首:⼯
5画
樣
部首:⽊
15画
“左樣”で始まる語句
左樣々々