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而
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さう
ふりがな文庫
“
而
(
さう
)” の例文
教会へは及ばずながら多少の金を取られて
居
(
を
)
る、
而
(
さう
)
して
家庭
(
かない
)
へ
禍殃
(
わざはひ
)
の
種子
(
たね
)
を
播
(
ま
)
かれでも
仕
(
し
)
ようものなら、我慢が出来るか
如何
(
どう
)
だらう
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
その
時
(
とき
)
の
買物
(
かひもの
)
が
笊
(
ざる
)
一
(
ひと
)
つ。
而
(
さう
)
して「
三十五錢
(
さんじふごせん
)
俥賃
(
くるまちん
)
を
取
(
と
)
られたね。」と、
女房
(
かみさん
)
が
言
(
い
)
ふと、
又
(
また
)
娘
(
むすめ
)
が
傍
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
て、「
違
(
ちが
)
ふよ、
五十錢
(
ごじつせん
)
だよ。」と
言
(
い
)
ふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
言
(
げん
)
で
云
(
い
)
へば、
貴方
(
あなた
)
は
生活
(
せいくわつ
)
と
云
(
い
)
ふものを
見
(
み
)
ないのです、
其
(
そ
)
れを
全
(
まつた
)
く
知
(
し
)
らんのです。
而
(
さう
)
して
實際
(
じつさい
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
唯
(
たゞ
)
理論
(
りろん
)
の
上
(
うへ
)
から
計
(
ばか
)
り
推
(
お
)
してゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
モリエエルに取つては其れも
亦
(
また
)
悲痛の種である。
而
(
さう
)
して「いや
其
(
その
)
為では無い」と云つたが、バロンと
我
(
わが
)
妻との関係を言ふには忍び無かつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
毎日
斯
(
か
)
うして二人で働いてゐたが、時々飛入りに手伝に来る職人があつた。
此奴
(
こいつ
)
が手伝に来ると、
屹度
(
きつと
)
娘を叱り飛ばす、
而
(
さう
)
してミハイロに
調戯
(
からか
)
ふ。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
▼ もっと見る
考へて見れば
無理
(
むり
)
の無い所で、
而
(
さう
)
して
此間
(
このかん
)
の事は
硯友社
(
けんいうしや
)
のヒストリイから
云
(
い
)
ふと大いに
味
(
あぢは
)
ふ
可
(
べ
)
き
一節
(
いつせつ
)
ですよ
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
※等
(
あねら
)
が
云
(
い
)
ふこと
聽
(
き
)
いたつ
位
(
くれえ
)
どんなことされつか
分
(
わか
)
んねえから」
勘次
(
かんじ
)
は
自棄
(
やけ
)
に
蕎麥
(
そば
)
の
幹
(
から
)
を
打
(
う
)
ちつけ/\しつゝいつた。
彼
(
かれ
)
は
而
(
さう
)
して
一目
(
ひとめ
)
もおつたを
見
(
み
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
而
(
さう
)
して
会
(
あ
)
つた
処
(
ところ
)
は
始終
(
しゞふ
)
外
(
そと
)
で、
偶
(
たま
)
に
其下宿
(
そのげしゆく
)
へ
行
(
い
)
つたこともあつたけれど、
自分
(
じぶん
)
は
其様
(
そん
)
な
初々
(
うひ/\
)
しい
恋
(
こひ
)
に、
肌
(
はだ
)
を
汚
(
けが
)
すほど、
其時分
(
そのじぶん
)
は
大胆
(
だいたん
)
でなかつたと
云
(
い
)
ふことを
確
(
たしか
)
めた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ひたすら良人に逢ひたいと云ふ望で張詰めた心が自分を巴里へ
齎
(
もたら
)
した。
而
(
さう
)
して自分は妻としての愛情を滿足させたと同時に母として悲哀をいよいよ痛切に感じる身と成つた。
巴里にて
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼女は
止
(
とゞ
)
まつて、
而
(
さう
)
して忍ぶべく決心した。彼女の苦しい辛い境遇に堪へようと決心した。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
然
(
しか
)
しいつまで川水を汲むでばかりも居られぬので、一月ばかりして
大仕掛
(
おほじかけ
)
に
井浚
(
いどさらへ
)
をすることにした。赤土からヘナ、ヘナから砂利、と一丈余も掘つて、
無色透明
(
むしよくとうめい
)
無臭
(
むしう
)
而
(
さう
)
して無味の水が出た。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
而
(
さう
)
して歌の能事は其處に盡きる。此意味に於て『酒ほがひ』一卷は明治の歌壇に於ける他の何人の作にも劣る事のない貢獻であると思ふ。フリツ・ルンプに寄せた歌の中から氣に合つた二三首を拔く。
吉井君の歌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
而
(
さう
)
して、わかい男の剃りたての
面
(
かほ
)
の皮膚の下から
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
而
(
さう
)
して、それは、その、きいちやんたるものが
聞
(
き
)
きつけて、
例
(
れい
)
の
式
(
しき
)
で、「そんなものはない。」と
言
(
い
)
つたが、これは
教育
(
けういく
)
のある
娘
(
むすめ
)
が
分
(
わか
)
つた。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
而
(
さう
)
して無口な子が
時時
(
ときどき
)
片
言
(
こと
)
交りに一つより知らぬ讃美歌の「夕日は隠れて
路
(
みち
)
は遥けし。
我主
(
わがしゆ
)
よ、
今宵
(
こよい
)
も共にいまして、寂しき
此
(
この
)
身を
育
(
はぐく
)
み給へ。」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
而
(
さう
)
して
其眼
(
そのめ
)
には
暖
(
あたゝか
)
な
健全
(
けんぜん
)
な
輝
(
かゞやき
)
がある、
彼
(
かれ
)
はニキタを
除
(
のぞ
)
くの
外
(
ほか
)
は、
誰
(
たれ
)
に
對
(
たい
)
しても
親切
(
しんせつ
)
で、
同情
(
どうじやう
)
が
有
(
あ
)
つて、
謙遜
(
けんそん
)
であつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
而
(
さう
)
して
挿絵
(
さしゑ
)
は
桂舟
(
けいしう
)
が
担当
(
たんとう
)
するなど、
前々
(
ぜん/\
)
の紙上から見ると
頗
(
すこぶ
)
る
異色
(
いしよく
)
を帯びて
居
(
ゐ
)
ました、
故
(
ゆえ
)
に
之
(
これ
)
を
第
(
だい
)
六
期
(
き
)
と
為
(
す
)
る、
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
の
生命
(
せいめい
)
は
第
(
だい
)
六
期
(
き
)
で
又
(
また
)
姑
(
しばら
)
く
絶滅
(
ぜつめつ
)
したのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私は
全然
(
まるで
)
砂漠
(
さばく
)
の中にでも居る様な
寂寞
(
せきばく
)
に堪へないでせう、
而
(
さう
)
すると又た良心は私の
甚
(
はなは
)
だ薄弱であることを責めるでせう、
墓所
(
はか
)
へ
詣
(
まゐ
)
りましても、教会へ参りましても
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
而
(
さう
)
して
好
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
のところで、
手
(
て
)
を
突込
(
つゝこ
)
んで
撈
(
さぐ
)
つて
見
(
み
)
ると、
確
(
たしか
)
に
手
(
て
)
に
触
(
さは
)
るものがある。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
而
(
さう
)
して
何時
(
いつ
)
かしら
何
(
なに
)
かを
計画
(
たくら
)
むでゐたある力が
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
出て
而
(
さう
)
して、何処へ? 何処へ?
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
半時間毎
(
はんじかんごと
)
位
(
くらゐ
)
に
彼
(
かれ
)
は
書物
(
しよもつ
)
から
眼
(
め
)
を
離
(
はな
)
さずに、ウオツカを一
杯
(
ぱい
)
注
(
つ
)
いでは
呑乾
(
のみほ
)
し、
而
(
さう
)
して
矢張
(
やはり
)
見
(
み
)
ずに
胡瓜
(
きうり
)
を
手探
(
てさぐり
)
で
食
(
く
)
ひ
缺
(
か
)
ぐ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
九里は又マロニエの幹を長い
棒麺麭
(
ぼうパン
)
、梢の
枝振
(
えだぶり
)
を箒、白樺を「砂糖漬の木」などと言つた。
而
(
さう
)
して三人が歩き
乍
(
なが
)
ら
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
而
(
さう
)
して、まあ
或
(
あ
)
る
處
(
ところ
)
へ、
然
(
しか
)
るべき
家
(
うち
)
を
借
(
か
)
り
込
(
こ
)
むで、
庭
(
には
)
には
燈籠
(
とうろう
)
なり、
手水鉢
(
てうづばち
)
も、
一寸
(
ちよつと
)
したものがあらうといふ、
一寸
(
ちよつと
)
氣取
(
きど
)
つた
鳥屋
(
とりや
)
といふ
事
(
こと
)
に
話
(
はなし
)
が
定
(
きま
)
つた。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今だに
一
(
ひと
)
つ
話
(
ばなし
)
に
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは、
此際
(
このさい
)
の事です、
何
(
なん
)
でも雑誌を売らなければ
可
(
い
)
かんと
云
(
い
)
ふので、
発行日
(
はつかうび
)
には
石橋
(
いしばし
)
も
私
(
わたし
)
も
鞄
(
かばん
)
の中へ
何十部
(
なんじふぶ
)
と
詰
(
つ
)
め
込
(
こ
)
んで、
而
(
さう
)
して学校へ出る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
が、
想像
(
さうざう
)
は
矢張
(
やはり
)
悪
(
わる
)
い
方
(
はう
)
へばかり
走
(
はし
)
らうとする。
如何
(
どう
)
かすると、
恋人
(
こひゞと
)
の
有
(
あ
)
つたことを、
既
(
すで
)
に
動
(
うごか
)
すべからざる
事実
(
じゞつ
)
と
決
(
き
)
めて
了
(
しま
)
つてゐる。
而
(
さう
)
して、
其事実
(
そのじゞつ
)
のうへに、
色々
(
いろ/\
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
事実
(
じゞつ
)
をさへ
築
(
きづき
)
あげてゐる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
而
(
さう
)
してわかい
男
(
をとこ
)
の
強
(
つよ
)
い
体臭
(
にほひ
)
をいらだたす。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
(
一人坊主
(
ひとりばうず
)
)だと
言
(
い
)
うて
騷
(
さわ
)
いでござるから
丁度
(
ちやうど
)
可
(
い
)
い、
誰
(
だれ
)
か
私
(
わし
)
の
弟子
(
でし
)
になりなさらんか、
而
(
さう
)
して二三
人
(
にん
)
坊主
(
ぼうず
)
が
出來
(
でき
)
りや、もう(
一人坊主
(
ひとりばうず
)
)ではなくなるから、
頓
(
とん
)
と
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
んで
可
(
よ
)
くござらう。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄紅
(
ときいろ
)
の
撫子
(
なでしこ
)
と、
藤紫
(
ふじむらさき
)
の
小菊
(
こぎく
)
が
微
(
かすか
)
に
彩
(
いろ
)
めく、
其
(
そ
)
の
友染
(
いうぜん
)
を
密
(
そつ
)
と
辿
(
たど
)
ると、
掻上
(
かきあ
)
げた
黒髪
(
くろかみ
)
の
毛筋
(
けすぢ
)
を
透
(
す
)
いて、ちらりと
耳朶
(
みゝたぼ
)
と、
而
(
さう
)
して
白々
(
しろ/″\
)
とある
頸脚
(
えりあし
)
が、すつと
寝
(
ね
)
て、
其
(
そ
)
の
薄化粧
(
うすげしやう
)
した、きめの
細
(
こま
)
かなのさへ
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
而
(
さう
)
して
夢
(
ゆめ
)
に
小式部
(
こしきぶ
)
を
見
(
み
)
た。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“而(而部)”の解説
而部
は、頬髭を意味する漢字の部首。
康熙字典214部首では126番目に置かれる(6画の9番目、未集の9番目)。
(出典:Wikipedia)
而
漢検準1級
部首:⽽
6画
“而”を含む語句
似而非
依而
形而上
形而上学
以而
追而書
従而
而已
兼而
別而
先達而
辛而
形而
似而非者
形而上的
却而
追而
然而
決而
似而
...