-
トップ
>
-
兩女
>
-
ふたり
お
八重察して
進めつゝ
取まかなひて
封を
切らすに
文にはあらで
一枚の
短冊なりけり
兩女ひとしく
見る
雲形
何ならんと
小走りして
進み
寄りつ
一枝手折りて一
輪は
主一
輪は
我れかざして
見るも
機嫌取りなり
互の
心は
得ぞしらず
畔道づたひ
行返りて
遊ぶ
共なく
暮す
日の
鳥も
寐に
歸る
夕べの
空に
行く
雲水の
僧一人たゝく
月下の
門は
何方ぞ
浦山しの
身の
上やと
見送くれば
見かへる
笠のはづれ
兩女ひとしくヲヽと
呌びぬ