姉弟ふたり)” の例文
そしてその足もとへ、誰かぶつかった者があるので、初めてオヤと我に返って見ると、姉弟ふたりおさないものが手をつないでシクシクと泣いている……。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど正雄が来合わせていて、姉弟ふたりは久しぶりで顔を合わした。正雄はこれまでにも二度ばかり親方を取り替えた。体の弱いので、あまり仕事のはげしい家では、辛抱がしきれなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「ええ畜生。ま、万吉さん——そんな悠長ゆうちょうなことをしちゃいられない——今向うへ引きずられて行く姉弟ふたりは、ありゃ実の私の小さい妹弟きょうだいなんだよ……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
強く、孫兵衛の利腕ききうでをとって、いたいけな角兵衛獅子の姉弟ふたりを、かばうように左の手で後ろに寄せた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「オオ、ここにいたか!」と子供たちの側へ来て両手に抱きこむと、姉弟ふたりも嬉しそうにすがりついた。と、侍はまた、編笠の目堰めせきから水明りにお久良の姿をすかして
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、迷惑の上の迷惑ではあろうが、この姉弟ふたりをしばらく寮に預かっておいてくれぬか。そして、桃谷の家に療治をしている万吉のことも、よそながら何分心づけてくれるように頼みたい
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいや、いけねえ」と、姉弟ふたりえりがみを両の手に吊るして
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)