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夫婦
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ふたり
ふりがな文庫
“
夫婦
(
ふたり
)” の例文
「良人の養家、伊賀の
小馬田
(
こまた
)
の領主、服部信清どののご家来などが、わたくしたち
夫婦
(
ふたり
)
のものを、八方さがしていたのでございました」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは私に代表させた私一家へ対しての、
夫婦
(
ふたり
)
の感謝だったのかも知れない。子供だけれど潔癖だからと、白い御飯を光るように
炊
(
た
)
いてだした。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
わきへ引込んだ、あの、辻堂の小さく見える処まで、昨日、
午
(
ひる
)
ごろ
夫婦
(
ふたり
)
で
歩行
(
ある
)
いた、——かえってそこに、欣七郎の中折帽が眺められるようである。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其処は死んだ細君と知合になった当時、
能
(
よ
)
く両人が散歩した所だそうで、
而
(
しか
)
も死んだのは、彼のみならず、
夫婦
(
ふたり
)
の間に出来た、たった一人の子供も殺して死んだ。
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夫婦
(
ふたり
)
の
会話
(
やりとり
)
をぼんやり聞いている小信は、まるで薄桃色の霞のなかに生きているような気がするだけで。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
玉木さんは食客らしく遠慮勝ちに膝をすすめて、
夫婦
(
ふたり
)
して並んで食台の
周囲
(
まわり
)
に坐った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
根っから
夫婦
(
ふたり
)
一緒に出歩いたことのない水臭い仲で、お互いよくよく毛嫌いして、それでもたまに大将が御寮人さんに肩を揉ませると、御寮人さんは大将のうしろで拳骨を振り舞わし
大阪発見
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
よくしたもので二階のすぐ上り口の鼻先に知った人間が
夫婦
(
ふたり
)
で買い物をしている。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「ここだけは、いつまでも、平和な山里でありますように。そして、よい
嬰児
(
やや
)
が生れたら、お
夫婦
(
ふたり
)
して河内へ見せに来てください」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一寸見
(
ちょっとみ
)
には、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。
令夫人
(
おくがた
)
は
許嫁
(
いいなずけ
)
で、お妙は先生がいまだ
金鈕
(
きんぼたん
)
であった頃の若木の花。
夫婦
(
ふたり
)
の色香を分けたのである、とも云うが……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫婦
(
ふたり
)
は私のお
膳
(
ぜん
)
の前にいて、
煽
(
あお
)
いでくれながらいった。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
生んだばかりの愛しい——あれほど
夫婦
(
ふたり
)
が
珠
(
たま
)
と
慈
(
いつく
)
しんでいたものを、眼をとじて、母の手で刺し、自分もその刃で、自害していた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「申せば、長くなりますが、覚えもない嫌疑をかけられ、行く先々で、六波羅の放免(密偵)に、つき
纒
(
まと
)
われている因果者の
夫婦
(
ふたり
)
なので」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの清洲の町は、自分たち
夫婦
(
ふたり
)
に眼をあつめている気がした。寧子の
麗
(
うるわ
)
しい姿に振り向く往来人に、若い良人はむしろ好意を持った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
夫婦
(
ふたり
)
して
長谷
(
はせ
)
へお礼詣りに行って
参籠
(
さんろう
)
したせつ、いただいて来た命名とやら。何ぞ長谷へ
願
(
がん
)
を結んでいたことがあったのかもしれませぬ」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや
夫婦
(
ふたり
)
にとれば、ただよろこびにもしておれまい。ひとの
誹
(
そし
)
り、うしろ指、さらには前途、芸道の修行も長くけわしかろう。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おらあ
忍
(
おし
)
ノ
大蔵
(
だいぞう
)
の弟分、大蔵が消えたあと、放免頭となった
忍
(
おし
)
ノ
権三
(
ごんざ
)
だ。おめえたち
夫婦
(
ふたり
)
の面あ、藤井寺のとき、この眼の奥におさめてある。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すぐ、
夫婦
(
ふたり
)
に旅装いを急がすがいい。……そのうえで、わしの待つ一間へ連れて来てくれい。長い別れになろうも知れぬ」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なにかもっとお
夫婦
(
ふたり
)
だけの深い話もあるにちがいない。と察して、爺の左近は、そこらの者へ眼くばせした。そして、そっと一同でほかへ去った。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、べつだんな用事でもござりませぬ。お
夫婦
(
ふたり
)
とも、ご息災とさえ伺えば、それで
祝着
(
しゅうちゃく
)
。ただよろしくおつたえを」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄徳の父母祖先の
墳墓
(
つか
)
は、すべて
涿郡
(
たくぐん
)
にあるので、母公は、婿の孝心を
嘉
(
よみ
)
し、それに従うのはまた、妻の道であると、機嫌よく
夫婦
(
ふたり
)
を出してやった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「法師は、
右馬介
(
うまのすけ
)
どのではありませんか。また、
夫婦
(
ふたり
)
のお方も、たしかどこかで、お見うけしたような? ……」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庭へまわって来て、角三郎の部屋の縁に腰をやすめ、
夫婦
(
ふたり
)
になって
生活
(
くら
)
す日の陽ざしをうっとりと思ってみる。
御鷹
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「むむ、そこでさて、
夫婦
(
ふたり
)
の仲の柿の子は、まだ渋柿やら甘柿やらも分らんなあ。たのむぞ、親根はそなただ」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、趣味にも、朝夕の
起臥
(
おきふし
)
にも、
夫婦
(
ふたり
)
の仲のよさは、家来の目にも、うらやましく見えるほどであった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま、そちたち
夫婦
(
ふたり
)
に、武門の外へ返れというのも、むなしく生きろというのではない。そちたちには二度とえられぬ命を大事につかってゆく別な道があったはずだ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
封は
卯木
(
うつぎ
)
と元成の
夫婦
(
ふたり
)
名前になっているが、筆つきからみて、良人の元成がしたためたものらしい。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
巷
(
ちまた
)
では名を
雨露次
(
うろじ
)
とかえ、卯木もその遊芸人の妻だった。だが、浮草のような
生活
(
たつき
)
の中にも、
夫婦
(
ふたり
)
だけの生きがいを、また愉しみを、見つけかけていたのではなかったか。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかりました」若い
夫婦
(
ふたり
)
は、しみじみと、範宴のことばを心に
沁
(
し
)
み入れてうなずいた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれからすぐ
夫婦
(
ふたり
)
して大坂を立ち、道中の路銀とてないので
飴売
(
あめう
)
りの
胴乱
(
どうらん
)
をかけて、子の乳となる妻の
糧
(
かて
)
を、一銭二銭と働きながら、きょうやっと、小倉まで
辿
(
たど
)
り着いたところだった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
夫婦
(
ふたり
)
が仲の初の児。いわばおぬしと俺との、これは
初陣
(
ういじん
)
の賜物」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫婦
(
ふたり
)
してすすめるのを謝して、武松は深更に帰って行ったが、あくる朝、眼をさましてから、ゆうべ酒の上で兄夫婦と約束して帰ったことを思い出し、さっそく県役署の知事室へ行き、知事に会って
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日も、若い
夫婦
(
ふたり
)
は、きのうのように
輦
(
くるま
)
で吉水の門へ通ってくる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫婦
(
ふたり
)
にとれば、懐かしい思いでの品でもある——。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「私たち
夫婦
(
ふたり
)
には生涯の門出となった一夜でした」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はれがましそうに、
夫婦
(
ふたり
)
は子に代ってそう言った。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お。お
夫婦
(
ふたり
)
も」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“夫婦”の意味
《名詞》
夫婦(ふうふ、おっとめ、みょうと)
結婚している一組みの男女。
(出典:Wiktionary)
“夫婦”の解説
夫婦(ふうふ、めおと、みょうと)とは、適法の婚姻をした男性と女性。女夫・妻夫(めお、めおと、みょうと、めおっと、めおとこ)、妹背・妹兄(いもせ)、夫妻(ふさい)とも言う。男性を夫と呼び、女性を妻と呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“夫婦”で始まる語句
夫婦喧嘩
夫婦仲
夫婦鳥
夫婦連
夫婦岩
夫婦釦
夫婦者
夫婦別
夫婦牛
夫婦島