“卯木”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うつぎ94.7%
うのき5.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雨露次夫婦が、いや、服部治郎左衛門元成と妻の卯木うつぎが、その夜、初瀬蛍はつせほたるの吹き舞う川音のなかで、兼好へ虚心に語ったものである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「子供は強いなあ。子供にはかなわんよ。大人どもはつい妄想だけでも疲れはてる。……子といえば、卯木うつぎ妊娠みごもっているということだが」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帰りしなに、正成から、或ることづてをうけていた正季は、城内へはいるとすぐ、妹の卯木うつぎの良人、服部治郎左衛門元成を、武者溜りからよびだして、
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯木うつぎの花が咲いている。石榴ざくろの花が咲いている。泉水に水どりでもいるのであろう、ハタ、ハタ、ハタと羽音がする。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お妹の卯木うつぎさまが、ついさき頃、御安産なされました。まだ産屋囲さんやがこいのうちにおせりではございますが」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
障子の外は濡縁になっており、向うは卯木うのきの生垣をまわして、広庭と仕切りができている。ちょうどその生垣の卯花がさかりで、まだ小さい若葉の緑とまっ白な花とが、雨に濡れてひときわ鮮やかに見えた。
おばな沢 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)