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たちい
ふりがな文庫
“
立出
(
たちい
)” の例文
我が蔭口を露ばかりもいふ者ありと聞けば、
立出
(
たちい
)
でて喧嘩口論の勇気もなく、部屋にとぢ
籠
(
こも
)
つて人に
面
(
おもて
)
の合はされぬ
臆病
(
おくびやう
)
至極の身なりけるを
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
立出
(
たちい
)
づる門口から、早や天の一方に、蒼沼の名にし負う、緑の池の水の色、峰続きの松の
梢
(
こずえ
)
に、
髣髴
(
ほうふつ
)
として
瑠璃
(
るり
)
を
湛
(
たた
)
える。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト口に言って、「お勢の帰って来ない内に」ト内心で言足しをして、
憤々
(
ぷんぷん
)
しながら
晩餐
(
ばんさん
)
を喫して宿所を
立出
(
たちい
)
で、
疾足
(
あしばや
)
に
番町
(
ばんちょう
)
へ参って知己を尋ねた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
羽織大小で
彼
(
か
)
の林藏という若党を連れ、買物に出ると云って屋敷を
立出
(
たちい
)
で、根津の或る料理茶屋へ
昇
(
あが
)
りましたが、其の頃は
主
(
しゅう
)
家来のけじめが正しく
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
中川も同じ心にて「ホントに小山君はどうしたろう」と立って窓より
戸外
(
そと
)
を
覗
(
のぞ
)
くにあだかもこの時大原家を
立出
(
たちい
)
でたる小山が
此方
(
こなた
)
を望んで来かかれり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
何
(
なに
)
もそれを
目的
(
もくてき
)
といふ
譯
(
わけ
)
ではなかつたが、三十六
年
(
ねん
)
の六
月
(
ぐわつ
)
二十三
日
(
にち
)
であつた。
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
と
共
(
とも
)
に
陣屋横町
(
ぢんやよこちやう
)
を
立出
(
たちい
)
でた。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
老探偵はこの侮辱を別に怒る様子もなく、寧ろそれを幸の様に、相川青年を促して会議室を
立出
(
たちい
)
でるのであった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
奪ひ取り
行掛
(
ゆきがけ
)
の
駄賃
(
だちん
)
にして
呉
(
くれ
)
んと獨り
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入相
(
いりあひ
)
の
鐘
(
かね
)
諸
(
もろ
)
ともに江戸を
立出
(
たちい
)
で品川宿の相摸屋へ上り
飮
(
のめ
)
や
唄
(
うた
)
へとざんざめきしが
一寸
(
ちよつ
)
と
床
(
とこ
)
に入り
子刻
(
こゝのつ
)
の
鐘
(
かね
)
を
相※
(
あひづ
)
に相摸屋を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あるひはまた
細流
(
さいりゅう
)
に添ふ風流なる
柴垣
(
しばがき
)
のほとりに侍女を伴ひたる美人
佇立
(
たたず
)
めば、
彼方
(
かなた
)
なる
柴折戸
(
しおりど
)
より美しき少年の姿
立出
(
たちい
)
で来れるが如き、いづれも
情緒纏綿
(
じょうしょてんめん
)
として尽きざるものなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼はこの情緒の
劇
(
はげし
)
く紛乱せるに際して、
可煩
(
わづらはし
)
き満枝に
夤
(
まつは
)
らるる苦悩に堪へざるを思へば、その
帰去
(
かへりさ
)
らん後までは
決
(
け
)
して還らじと心を定めて、既に
所在
(
ありか
)
を知られたる碁会所を
立出
(
たちい
)
でしが
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
前
(
きそ
)
の
日
(
ひ
)
村
(
むら
)
を
立出
(
たちい
)
でゝ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
我
(
わ
)
が
蔭口
(
かげぐち
)
を
露
(
つゆ
)
ばかりもいふ
者
(
もの
)
ありと
聞
(
き
)
けば、
立出
(
たちい
)
でゝ
喧嘩口論
(
けんくわこうろん
)
の
勇氣
(
ゆふき
)
もなく、
部屋
(
へや
)
にとぢ
籠
(
こも
)
つて
人
(
ひと
)
に
面
(
おもて
)
の
合
(
あ
)
はされぬ
憶病至極
(
おくびやうしごく
)
の
身
(
み
)
なりけるを
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
場所
(
ばしよ
)
は、
立出
(
たちい
)
でた
休屋
(
やすみや
)
の
宿
(
やど
)
を、さながら
谷
(
たに
)
の
小屋
(
こいへ
)
にした、
中山半島
(
なかやまはんたう
)
——
此
(
こ
)
の
半島
(
はんたう
)
は、
恰
(
あたか
)
も
龍
(
りう
)
の、
頭
(
かうべ
)
を
大空
(
おほぞら
)
に
反
(
そ
)
らした
形
(
かたち
)
で、
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
は
其
(
そ
)
の
腮
(
あぎと
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
連立
(
つれだ
)
ってこゝを
立出
(
たちい
)
で、鶴屋という女郎屋へ
上
(
あが
)
り込む。
後
(
あと
)
へお國と源次郎が笹屋へ来て様子を聞けば、
先刻
(
さっき
)
帰ったと云うことに二人は
萎
(
しお
)
れて立帰り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから
東皐子
(
とうくわうし
)
の
案内
(
あんない
)
で、
嶺村
(
みねむら
)
に
是空庵
(
ぜくうあん
)
、
原田文海氏
(
はらだぶんかいし
)
を
訪
(
と
)
うべく
立出
(
たちい
)
でた。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
日も早や晩景に相なり候故、なほ/\驚き、後家を始め得念にはいづれ両三日中
重
(
かさね
)
て御礼に参上致すべき旨申し、厚く礼を
陳
(
の
)
べ候て
立出
(
たちい
)
で候ものゝ、山内の学寮へは
弥〻
(
いよいよ
)
時刻おくれて帰りにくゝ
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ト
挨拶
(
あいさつ
)
をして文三は
座舗
(
ざしき
)
を
立出
(
たちい
)
で
梯子段
(
はしごだん
)
の
下
(
もと
)
まで来ると、
後
(
うしろ
)
より
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夜にして始めて霊夢を蒙り、その
払暁
(
あかつき
)
水際
(
みぎわ
)
に
立出
(
たちい
)
でて
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
如何なる客が来りけんと自ら
立出
(
たちい
)
でて格子戸を開き
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
世帶
(
せたい
)
じみた
事
(
こと
)
をと
旦那
(
だんな
)
どのが
恐悦顏
(
きようえつがほ
)
、
見
(
み
)
ぬやうにして
妻
(
つま
)
は
表
(
おもて
)
へ
立出
(
たちい
)
でしが
大空
(
おほぞら
)
を
見上
(
みあ
)
げてほつと
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
く
時
(
とき
)
、
曇
(
くも
)
れるやうの
面
(
おも
)
もちいとゞ
雲深
(
くもふか
)
う
成
(
な
)
りぬ。
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すぐこの
階
(
きざはし
)
のもとへ、灯ともしの
翁
(
おきな
)
一人、
立出
(
たちい
)
づるが、その油差の上に差置く、燈心が、その燈心が、入相すぐる
夜嵐
(
よあらし
)
の、やがて、
颯
(
さっ
)
と吹起るにさえ
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云われて相川は意地の悪い和尚だと
呟
(
つぶや
)
きながら、挨拶もそわ/\孝助と共に幡随院の門を
立出
(
たちい
)
でました。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まだかまだかと
塀
(
へい
)
の
廻
(
まわ
)
りを七
度
(
た
)
び
廻
(
まわ
)
り、
欠伸
(
あくび
)
の
數
(
かず
)
も
盡
(
つ
)
きて、
拂
(
はら
)
ふとすれど
名物
(
めいぶつ
)
の
蚊
(
か
)
に
首筋
(
くびすぢ
)
額
(
ひたい
)
ぎわしたゝか
螫
(
さゝ
)
れ、三五
郎
(
らう
)
弱
(
よわ
)
りきる
時
(
とき
)
、
美登利
(
みどり
)
立出
(
たちい
)
でゝいざと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
根岸を
立出
(
たちい
)
でましてから我が宿といたして
居
(
お
)
る、
下谷
(
したや
)
山伏町
(
やまぶしちょう
)
の木賃宿
上州屋
(
じょうしゅうや
)
にかえっても、雨降でげすから稼業にも出られず、僅かばかりの荷物など始末いたし
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
希有
(
けう
)
ぢやと申して、
邸内
(
ていない
)
多人数
(
たにんず
)
が
立出
(
たちい
)
でまして、力を合せて、
曳声
(
えいごえ
)
でぐいと
曳
(
ひ
)
きますとな……殿様。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
無理に兄弟の縁を切って西浦賀の江戸屋を
立出
(
たちい
)
でますと、小兼が
跣足
(
はだし
)
で
谷通坂
(
やんつうざか
)
まで
追懸
(
おっか
)
けて参った処までお聞に入れましたが、
茲
(
こゝ
)
に真堀の定蓮寺と申す
前
(
ぜん
)
申し上げた
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
悪心むらむらと
起
(
おこ
)
り、介抱もせず、呼びも
活
(
い
)
けで、
故
(
わざ
)
と
灯火
(
ともしび
)
を
微
(
ほのか
)
にし、「かくては
誰
(
た
)
が眼にも……」と
北叟笑
(
ほくそゑ
)
みつゝ、
忍
(
しのび
)
やかに
立出
(
たちい
)
で、
主人
(
あるじ
)
の
閨
(
ねや
)
に
走行
(
はしりゆ
)
きて、
酔臥
(
ゑひふ
)
したるを
揺覚
(
ゆりさ
)
まし
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
慣れたものが
居
(
お
)
らんければ不都合ゆえ、織江が忠平に其の手紙を見せまして、先へ忠平を帰しましたから、
米藏
(
よねぞう
)
という
老僕
(
おやじ
)
に提灯を持たして小梅の御中屋敷を
立出
(
たちい
)
で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
爪紅
(
つまべに
)
を
其
(
そ
)
のまゝに、
其
(
そ
)
の
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
一枚
(
いちまい
)
づゝ、
君
(
きみ
)
來
(
こ
)
よ、と
染
(
そ
)
むるにや。
豈
(
あに
)
ひとり
居
(
きよ
)
に
堪
(
た
)
ふべけんや。
袖笠
(
そでがさ
)
かつぎもやらず、
杖折戸
(
しをりど
)
を
立出
(
たちい
)
づる。
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
の
野菊
(
のぎく
)
、
水
(
みづ
)
に
似
(
に
)
て、
渡
(
わた
)
る
褄
(
つま
)
さき
亂
(
みだ
)
れたり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山三郎は心が
急
(
せ
)
いて居りますから、言葉
寡
(
すく
)
なに
暇
(
いとま
)
を告げて
立出
(
たちい
)
でますと、其の頃の御奉行様が玄関まで出て町人を送ると云うことはないが、何か気になると見えまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
萌黄
(
もえぎ
)
や、金銀の
縫箔
(
ぬいはく
)
光を放って、板戸も松の絵の影に、雲白く
梢
(
こずえ
)
を
繞
(
めぐ
)
る
松林
(
しょうりん
)
に日の
射
(
さ
)
す中に、一列に
並居
(
なみい
)
る時、
巫子
(
みこ
)
するすると
立出
(
たちい
)
でて、美女の
面
(
おもて
)
一
(
いち
)
人ごとに、式の白粉を施し、紅をさし
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
孝助は
暇乞
(
いとまごい
)
をして相川の
邸
(
やしき
)
を
立出
(
たちい
)
で、大曲りの方を通れば、前に申した三人が
待伏
(
まちぶせ
)
をして居るのだが、孝助の運が強かったと見え、
隆慶橋
(
りゅうけいばし
)
を渡り、
軽子坂
(
かるこざか
)
から
邸
(
やしき
)
へ帰って来た。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
勢
(
いきおい
)
でな、いらだか、
苛
(
いら
)
って、
揉
(
もみ
)
上げ、
押摺
(
おしす
)
り、貴辺が御無事に下山のほどを、先刻この森の中へ、夢のようにお
立出
(
たちい
)
でになった御姿を見まするまで、明王の霊前に
祈
(
いのり
)
を上げておりました。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝の
巳刻
(
よつ
)
頃でございますが、向うから友之助が余程の重罪を犯したものと見えて、引廻しになってまいります様子、これは友之助の罪状が
定
(
きま
)
って、
小伝馬町
(
こでんまちょう
)
の牢屋の裏門を
立出
(
たちい
)
で
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「やがてここを
立出
(
たちい
)
で
辿
(
たど
)
り
行
(
ゆ
)
くほどに、旅人の唄うを聞けば、」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸々
(
よう/\
)
心附き、これからお賤の手を取って松戸へ出まして、
松新
(
まつしん
)
という宿屋へ泊り、翌日雨の降る中を
立出
(
たちい
)
でて
本郷山
(
ほんごうやま
)
を越し、塚前村にかゝり、観音堂に参詣を致し、
図
(
はか
)
らずお賤が
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この時酒屋の
檐下
(
のきした
)
より
婀娜
(
あだ
)
たる
婦人
(
おんな
)
立出
(
たちい
)
でたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
国表を
立出
(
たちい
)
でます時男子出産して今年二歳になります、国には妻子がございますので
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌朝お繼は早く泊りを
立出
(
たちい
)
でゝ、
前
(
せん
)
申す巡礼と両側を流し、向うが
此方
(
こちら
)
へ来れば、此方が向側と云う廻り合せで、両側を流しながら
遂々
(
とう/\
)
福島を越して、
須原
(
すはら
)
という処に泊りましたが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伊之助も
慌
(
あわ
)
てまどいまして、元より荷物といってはないが、行李の始末なんかは昼間のうちにしてありますから、それではと申して、伊之助は上州屋方を引はらい、お若と二人
立出
(
たちい
)
で
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と出て
行
(
ゆ
)
きました。これから新吉お賤も茶代を払って
其処
(
そこ
)
を
立出
(
たちい
)
でました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立竦
立籠
立塞
立留