“あさまだき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
早朝41.2%
朝未明35.3%
払暁5.9%
早抹5.9%
早暁5.9%
爽旦5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浅草の観世音、その境内の早朝あさまだき、茶店の表戸はざされていたが、人の歩く足音はした。朝詣あさまいりをする信者でもあろう。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三寸の緑から鳴きはじめた麦の伶人れいじんの雲雀は、麦がれるぞ、起きろ、急げと朝未明あさまだきからさえずる。折も折とて徴兵ちょうへいの検査。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
薬草道人の湖上の住居、そこへお仙が入り込んだ日の、ちょうど払暁あさまだきのことであった。一里も下ったら福島へ出よう、そういう地点の林の中に、薬草道人は休んでいた。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女が今でも一番恋しい景色は遠州御前崎の今切いまぎれの渡しのところと味方が原だという。彼女は早抹あさまだき、父親をはげまして自ら小船を漕いで塩浜へとゆく。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
早暁あさまだきの密林である。斜めに射し込む陽の光、奥所おくにはもやが這っている。野菊、藤袴、女郎花おみなえし、雑草の中に花が咲いている。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここに足をとどめんときょうおもいさだめつ、爽旦あさまだきかねてききしいわなというさかなうりに来たるをう、五尾十五銭。鯉もふもとなる里よりてきぬというを、一尾買いてゆうげの時までいかしおきぬ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)