“はたき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
払塵30.0%
25.0%
塵払10.0%
紙箒10.0%
塵掃5.0%
拂塵5.0%
掃塵5.0%
浴箒5.0%
5.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
作は時ならない払塵はたきの音を聞きつけて、梯子段はしごだんから銀杏返いちょうがえしの頭を出した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれど俺の方は、物も供えず払塵はたきもかけないで放っておかれる、埃と煤とにまみれたその神棚を、次第に無関心な眼で眺めるようになってきた。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
烏帽子えぼしかぶりて、はたきりしかの愛らしき児は、煎餅せんべいをば焼きつつありとぞ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はたきを持つやら、ほうきやら、団扇うちわかざしているものやら、どこにすきがあって立ち込んだか、うぐいすがお居間の中に、あれあれという。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人が塵払はたきの音のする窓の外を通った時は、岩間に咲く木瓜ぼけのように紅い女の顔が玻璃ガラスの内から映っていた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
下女の袈裟治けさぢ塵払はたきを取出して、背中に附いた雪を払つて呉れる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そして、紙箒はたきを持つて兄の机の上の埃を拂ひながら、書物の間に插んである洋紙をのぞいて、まづい手蹟で根氣よく英字を書き留めてゐるのに、感心もし、冷笑を浮べもした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
そして、紙箒はたきを持って兄の机の上のほこりを払いながら、書物の間にはさんである洋紙を覗いて、まずい手蹟で根気よく英字を書留めているのに、感心もし、冷笑を浮べもした。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
たしかに蕪村の声に相違ないので、慶作は不審しながら、入つてくと、其辺そこらぢゆうにはうき塵掃はたきがごた/\取り散らされて、師匠はひとりで窃々くす/\笑つてゐる。
「八番さんにお客樣だよ。一寸伺つておいで」其聲が止んだと思ふ間も無く、何處かの部屋で勇しい拂塵はたきの音が聞えるのはもう文太郎が其部屋の掃除に行つたものらしかつた。
帰りしな、林檎りんごはよくよくふきんでいてつやを出すこと、水密桃すいみつとうには手を触れぬこと、果物はほこりをきらうゆえ始終掃塵はたきをかけることなど念押して行った。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
すぐそのあとから竈へ這い込んで、白樺の浴箒はたき〔(これで皮膚を叩いて発汗を十分にするのが蒸風呂の慣わしである)〕を使ってよく汗を取る。
グーセフ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「うむ、はたきふかくなくつちや收穫んねえものよそら、らあさかりころにや此間こねえだのやうにあさうなあもんだたあねえのがんだから、現在いまぢやはあ、悉皆みんな利口りこうんなつてつかららがにやわかんねえが」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)