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払塵
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はたき
ふりがな文庫
“
払塵
(
はたき
)” の例文
旧字:
拂塵
作は時ならない
払塵
(
はたき
)
の音を聞きつけて、
梯子段
(
はしごだん
)
から
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しの頭を出した。僕は彼女に書架の一部を
雑巾
(
ぞうきん
)
で拭いて
貰
(
もら
)
った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
箒と
払塵
(
はたき
)
と
雑巾
(
ぞうきん
)
とを持った女中が、慌てて駈けてきた。周平は長く廊下に待たせられた。掃除がすんで室にはいったが、先刻の黴臭い匂いが鼻についていた。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彷徨
(
うろつ
)
きながら、見ぬ振をして横目でチョイチョイ見ていると、お糸さんが赤い
襷
(
たすき
)
に白地の手拭を
姉様冠
(
あねさまかぶ
)
りという甲斐々々しい
出立
(
いでたち
)
で、私の机や本箱へパタパタと
払塵
(
はたき
)
を掛けている。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
看護婦の
払塵
(
はたき
)
の声がここかしこで聞こえた。自分は
枕
(
まくら
)
を借りて、三沢の隣の
空室
(
あきべや
)
へ、
昨夕
(
ゆうべ
)
の睡眠不足を補いに入った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど俺の方は、物も供えず
払塵
(
はたき
)
もかけないで放っておかれる、埃と煤とにまみれたその神棚を、次第に無関心な眼で眺めるようになってきた。何もお
化
(
ばけ
)
が出るわけじゃなかったのだから。
神棚
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
御米は奥で座敷へ
払塵
(
はたき
)
を掛けていた。宗助はそれから
懐手
(
ふところで
)
をして、玄関だの門の
辺
(
あたり
)
をよく見廻ったが、どこにも平常と異なる点は認められなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
払
常用漢字
中学
部首:⼿
5画
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
“払”で始まる語句
払
払暁
払子
払底
払拭
払下
払退
払物
払方
払階