“払塵”の読み方と例文
旧字:拂塵
読み方割合
はたき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
作は時ならない払塵はたきの音を聞きつけて、梯子段はしごだんから銀杏返いちょうがえしの頭を出した。僕は彼女に書架の一部を雑巾ぞうきんで拭いてもらった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
箒と払塵はたき雑巾ぞうきんとを持った女中が、慌てて駈けてきた。周平は長く廊下に待たせられた。掃除がすんで室にはいったが、先刻の黴臭い匂いが鼻についていた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彷徨うろつきながら、見ぬ振をして横目でチョイチョイ見ていると、お糸さんが赤いたすきに白地の手拭を姉様冠あねさまかぶりという甲斐々々しい出立いでたちで、私の机や本箱へパタパタと払塵はたきを掛けている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)