塵払はたき)” の例文
二人が塵払はたきの音のする窓の外を通った時は、岩間に咲く木瓜ぼけのように紅い女の顔が玻璃ガラスの内から映っていた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其と見た奥様は飛んで出て、吾子が旅からでも帰つて来たかのやうに喜んだ。人々も出て迎へた。下女の袈裟治けさぢ塵払はたきを取出して、背中に附いた雪を払つて呉れる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)