“塵除”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちりよ63.6%
ちりよけ36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は小柄な躯つきで、それが女のようにしなしなしてい、気取ったこびのある身ぶりで、おそのの塵除ちりよ合羽がっぱを脱がしてやっていた。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
畳の上には汚れけの渋紙が敷き詰めてある、屏風びょうぶ長押なげしの額、床の置ものにまで塵除ちりよけの布ぶくろがかぶせてある。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
亞麻色あまいろ薔薇ばらの花、華車きやしや撫肩なでがたにひつかけた格魯謨色クロオムいろの輕い塵除ちりよけのやうな亞麻色あまいろよりも強いと見える、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
疑がえばおのれにさえあざむかれる。まして己以外の人間の、利害のちまたに、損失の塵除ちりよけかぶる、つらの厚さは、容易にははかられぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)