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払
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ぱら
ふりがな文庫
“
払
(
ぱら
)” の例文
旧字:
拂
さらに下のほうでは、
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
ったキャベツが、
驢馬
(
ろば
)
の耳を打ち振り、
上気
(
のぼ
)
せた
葱
(
ねぎ
)
が、互いに鉢合せをして、種で
膨
(
ふく
)
らんだ丸い実を砕く。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
吾輩が断髪令嬢の御秘蔵の犬と知らずに
掻
(
か
)
っ
払
(
ぱら
)
ったのも偶然なら、その犬を断髪令嬢の
恋敵
(
こいがたき
)
の医学士の所へ持って行って売付けたのも偶然だ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
予
(
かね
)
てから独逸人が
吝
(
しみ
)
つたれで、慾深で、有る程のものは
掻
(
か
)
つ
払
(
ぱら
)
はずには
居
(
を
)
られない癖を知つてゐるので、てんでに財産を
慝
(
かく
)
まふのに智慧を絞つたものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
本堂
(
ほんどう
)
の中には
蝋燭
(
そうそく
)
が明るくともっていましたが、
盗賊
(
とうぞく
)
どもは
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
って、そこにごろごろ
眠
(
ねむ
)
っていました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
通りがかりの
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
いが、酔いもさめきった青い顔をして、次第に崩れゆく東京ビルを
呆然
(
ぼうぜん
)
と見守っていた。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
お買いなさいと
催促
(
さいそく
)
をする。金がないと断わると、金なんか、いつでもようございますとなかなか
頑固
(
がんこ
)
だ。金があつても買わないんだと、その時は追っ
払
(
ぱら
)
っちまった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と打ってかゝる処を、ひッ
払
(
ぱら
)
って腕を打つ、打たれて三嶋安は斬られたと心得、キャッと云いさま同じく細道へ逃げ込んでしまうのを、追い掛けもせず跡を見送りながら
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伝平はどうかすると、無理に
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
って、高木の家へそんなことを言って行くことがあった。
馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
手っ
払
(
ぱら
)
いに日本の雑貨を買い入れて、こちらから通知書一つ出せば、いつでも日本から送ってよこすばかりにしてあるものの、手もとにはいささかの
銭
(
ぜに
)
も残ってはいなかった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
短躯小身
(
たんくせうしん
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、かうして
新聞
(
しんぶん
)
から
出向
(
でむ
)
く
上
(
うへ
)
は、
紋着
(
もんつき
)
と
袴
(
はかま
)
のたしなみはなくてなるまいが、
酔
(
よ
)
つ
払
(
ぱら
)
つた
年賀
(
ねんが
)
でなし、
風呂敷包
(
ふろしきつゝみ
)
で
背負
(
しよ
)
ひもならずと、……
友
(
とも
)
だちは
持
(
も
)
つべきもの
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わしを始め、この中には、強盗強姦、
追剥
(
おいは
)
ぎ
火放
(
ひつ
)
け、ありとあらゆる罪を犯した兇悪な人間もいるが、その中へ間違って
紛
(
まぎ
)
れ込んで来た猿は、まだ
掻
(
か
)
ッ
払
(
ぱら
)
い一つろくに知らない
初心
(
うぶ
)
な奴だった。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「かっ
払
(
ぱら
)
いがはいって、内玄関の下駄箱からお靴を持って行きました」
九つの鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
泥
(
どろ
)
のやうに
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
はせた
兵士
(
へいし
)
らを
御用船
(
ごようせん
)
へ
積
(
つ
)
み込んで
送
(
おく
)
り
出
(
だ
)
さうと
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
前の夜、あなたに言い足りなかった
口惜
(
くや
)
しさで、
珍
(
めずら
)
しく朝から晩まで飲んでいました。そのうち
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
ってしまって、船の酒場に入ってくる
誰彼
(
だれかれ
)
なしを取っ
掴
(
つか
)
まえては、
管
(
くだ
)
をまき
盃
(
さかずき
)
を
強
(
し
)
いていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
だから今度はなるべく長く
委
(
くわ
)
しく話してもらおうと思って、
酔
(
よ
)
っ
払
(
ぱら
)
いのあとから通りかかったお婆さんの傍へ寄って、
事情
(
わけ
)
を話して身の上話しを聞かしてくれと頼んだ。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
と
突放
(
つきはな
)
されて、安兵衞も伊兵衞も悦びまして、栗林の間へ逃げ込みましたが、吉原土手で仙太郎に逢った侍は心有るものゆえ、
振
(
ぶ
)
ッ
払
(
ぱら
)
って逃げましたが、国分の束は心がないから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「一体、何を
掻
(
か
)
っ
払
(
ぱら
)
ったんだね?」
街底の熔鉱炉
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
コック部屋に無けあ船長室に在る筈だ。そいつを
掻
(
か
)
っ
払
(
ぱら
)
って来い。なぐられるもんか。
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
吐
(
ぬ
)
かしたら俺が
命令
(
いいつけ
)
たと云え。
船長
(
おやじ
)
には貸しがあるんだ。……行って来い……。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云いながら袖を
打
(
ぶ
)
っ
払
(
ぱら
)
って
雪踏
(
せった
)
を脱ぎ捨て、
跣足
(
はだし
)
の儘駈け出す。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
払
常用漢字
中学
部首:⼿
5画
“払”を含む語句
払暁
引払
咳払
煤払
厄払
塵払
逐払
打払
売払
追払
酔払
払拭
払下
取払
所払
誓文払
払子
支払
掻払
厄介払
...