“咽喉:のんど” の例文
“咽喉:のんど”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花10
北原白秋3
中原中也2
夏目漱石2
清水紫琴1
“咽喉:のんど”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > アジア25.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
背後うしろに六角の太き柱立てて、釜に入れたる浅尾の咽喉のんどを鎖もていましめて、真白なるきぬ着せたり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さきには汗出でて咽喉のんど渇くに、爺にもとめて山の井の水飲みたりし、そのひややかさおもい出でつ。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仁右衛門ぶるぶるとなり、据眼すえまなこじっと見た、白い咽喉のんどをのけざまに、苦痛に反らして、黒髪を乱したが、唇をる歯の白さ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一目見ると、無法ものの手はぐッたりと下に垂れて、忘れたように、掴んだ奴の咽喉のんどを離した。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
愛吉は下へ、どんと尻餅をついた。そのまま咽喉のんどにあてた剃刀をぎ取ったのは丹平で。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
という声もろとも、咽喉のんど白刃しらはを刺されしまま、伝内はハタとたおれぬ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……結綿ゆひわた鹿のやうに、喀血かくけつする咽喉のんどのやうに。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あと叫びて立竦たちすくめる、咽喉のんどを伝ひ胸に入り、腹よりせな這廻はひまはれば、声をも立てず身をもだ虚空こくうつかみてくるしみしが
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大いなる山、大いなる空、千里をけ抜ける野分、八方を包む煙り、鋳鉄しゅてつ咽喉のんどからえて飛ぶたま——これらの前にはいかなる偉人も偉人として認められぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
——死のうとした日の朝——宗吉は、年紀上としうえかれの友達に、顔をあたってもらった。……その、明神の境内で、アワヤ咽喉のんどに擬したのはその剃刀であるが。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あなうるさ草につくばふ下闇の蚊喰がへるが咽喉のんど鬼灯ほほづき
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
胸の上にコップを置いて白い、然しやきつくやうな両手でつかんで、氷のかけを咽喉のんどに落した時、彼女は漸く浮き上るやうな気持ちになった。そして極めてわづかの夢を見ることが出来た。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
雛鳥の咽喉のんどあけたる子が口に葡萄つぶら玉入れてをりわれは
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
雛鳥の咽喉のんどあけたる子が口に葡萄つぶら玉入れてをりわれは
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あ、」と云つたが其の声咽喉のんどに沈み、しやにむに起き上らうとする途端に、トンと音が、身体中からだじゅうに響き渡つて、胸にとまつた別にの一ぴき大蠅おおばえが有つた。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お通の口は喰破れる良人の咽喉のんどの血に染めり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚破すわといふ時、綿わたすじ射切いきつたら、胸に不及およばず咽喉のんど不及およばずたまえて媼はただ一個いっこ朽木くちきの像にならうも知れぬ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
咽喉のんどが鳴ります牡蠣殻かきがら
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
咽喉のんどの みえる あたりまで……
咽喉のんどきずを見せし女かな
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
咽喉のんどの笛を吹き鳴らし
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
干割ひわれた 咽喉のんど
恥の歌 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
細き咽喉のんどに呪ひけん
鬼哭寺の一夜 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今日までにこれでしくじつたが幾人いくたりと指折りかくるに、瘠せぎすなお針女はこれを抑へて、こんなことは、奉公人の我等の搆ふた事ではなけれど、腹立たしきはお艶めが、奉公人の咽喉のんどをしめて、旦那に我が世帯持ちよき手柄見せむとて
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
烈しき日、乾燥せる空気、日を照りかへして白くきらめく岩の山、見るだに咽喉のんどのいらく土の家、見るものこと/″\く唯渇きに渇きて、旅人の気も遠く目もくらまんとする時、こゝに活ける水の泉あり、滾々こん/\として岩間より湧き出づ。
酒というものは本来、米の精であればこそ、これに燗をして、キューッと咽喉のんどに下すことに趣味があるのだが、ばくばくたる麦ではうつりが悪い、ばくばくたる麦酒を、燗をして飲むなんぞは、あんまり気がかないと思ったものですから、偶然そんなことが口走ったのです。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
対手あいては名に負ふ黄金丸、鷲郎も尋常なみなみの犬ならねば、さしもの金眸も敵しがたくや、少しひるんで見えける処を、得たりと著入つけいる黄金丸、金眸が咽喉のんどをねらひ、あごも透れとみつけ、鷲郎もすかさず後より、金眸が睾丸ふぐりをば、力をこめて噬みたるにぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)