“這廻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はいまわ71.4%
はひまは28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よく見れば細かく肩をふるわせて泣き入っていた。えりが乱れて乳色の首筋が背中の方までむき出しになり、その上をおびただしいおくれ毛が這廻はいまわっている。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
蚊帳を釣っても寝床の上をうようよと這廻はいまわる——さ、その夜あけ方に、あれあれ峠を見され、羽蟻が黒雲のように真直まっすぐに、と押魂消おったまげる内、焼けました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お春の頬に取着とりつくにぞ、あと叫びて立竦たちすくめる、咽喉のんどを伝ひ胸に入り、腹よりせな這廻はひまはれば、声をも立てず身をもだ虚空こくうつかみてくるしみしが、はたとたふれて前後を失ひけり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
穴に仕度したくか蛇の這廻はひまは
落語家温泉録 (新字旧仮名) / 正岡容(著)