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『鬼哭寺の一夜』
ふりがな文庫
『
鬼哭寺の一夜
(
きこくじのいちや
)
』
百里に迷ふ旅心、 古りし伽藍に夜を明かす。 甍漏る音の雨さびて 憂きわれのみに世死したり。 風なく搖らぐ法幢の、 暗き方へと靡くとき、 佛も寒く御座すらん。 黄金と光る蟵蛛の眼の、 闇を縫ふべき計、 銀糸に引く見れば 冥府の色より物凄し。 …
著者
夏目漱石
ジャンル
文学 > 日本文学 > 詩歌
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
燈
(
ともし
)
乾
(
ひ
)
夜半
(
よは
)
冥府
(
よみ
)
咽喉
(
のんど
)
銀
(
しろがね
)
輕羅
(
うすもの
)