“火口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほくち50.0%
ひぐち25.0%
ほぐち17.9%
かこう7.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あぶられたッて。そんなら、行燈あんどんのわきに、油差あぶらさし火口ほくちがおいてあるから、はやくつけてくんねえ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
かくの如く苦患なやみを増さんとて永遠とこしへの熱おちくだり、砂の燃ゆることあたかも火打鎌の下なる火口ほくちにひとしく 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのふっさりとしたる間へ火口ほくちに似た木の葉で拵えたものを入れてそれから日本の昔の流儀で燧火石ひうちいしを打って火を移すのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
春とは云っても寒かった。竈の火口ほくちへ手をかざしながら、草賊そうぞくおさ毛利薪兵衛は、物臭ものぐさそうにこう云った。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次もそう見当を付けるのに精一杯です。第一、駒吉の頭は水気どころか、ろくに油気もない始末で、火を付けたら、火口ほくちのように燃出しそうに見えるのです。
店は熔炉ようろ火口ひぐちを開いたように明るくて、馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海道の七間道路が向側むこうがわまではっきりと照らされていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
……たきつけを入れて、炭をいで、土瓶どびんを掛けて、茶盆を並べて、それから、扇子おおぎではたはたと焜炉の火口ひぐちあおぎはじめた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこには、真っ黒にいぶった三つの炭焼竈が、毛をむしられた巨獣のようなあらはだをして、火口ひぐちを並べていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、パッパッと音を立てて、火口ひぐちから出渋でしぶる小さな焔の明滅を、やっと三つ数えたきりで、彼は眠入ねいってしまう。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
熟覧よく/\みておもへらく、これまさしく妙法寺村の火のるゐなるべしと火口ひぐちに石を入れてこれをし家にかへりて人にかたらず、雪きえてのちふたゝびその所にいたりて見るに火のもえたるはかの小溝こみぞきし也。
蛍火ほたるびか。……象の脚元で火口ほぐちの火のような光がチラと見えたと思うと、どうしたのか、象が脚元からドッとばかりに燃え上った。
その下に硫黄附木いわうつけぎが一枚と一とつまみの火口ほぐちが、濡れたまゝ落ちてゐるのを、平次はそつと拾ひながら續けました。
彼らの連なった楯の上からは油をにじませた茅花つばな火口ほぐちが鋒尖につきささられて燃えていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
黒煉瓦焼く火の火口ほぐち夜は見えてけしきばかりをかんゆるぶめり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あつしもあんなに驚いたことはありませんが、周太郎はなほ驚いた樣子で、顎や頬から、火口ほぐちを剥ぐのに夢中でしたよ」
噴火ふんか前景氣まへけいきいよ/\すゝんでると、火口かこうからの噴煙ふんえん突然とつぜんいきほひしてる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たちまちかまの肌がドス黒く、火口かこうの焔も弱ってくらになってきた。久米一生涯の神品しんぴんも、今はどうなったか計られない。百助はそれを眺めてニタッ……と嘲笑あざわらった。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞ噴火ふんかはこの火口かこう全體ぜんたいからおこつたのではなく、周圍しゆうい土地とち陷沒かんぼつによつてひろがつたものだといふ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
噴火作用中ふんかさようちゆうもつとおそれられてゐるのは、赤熱せきねつした火山灰かざんばひ火口かこうから市街地しがいちむかつて發射はつしやされることである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)