“ほぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
火口71.4%
灯口28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのとき、耶馬台の軍はまばらに一列に横隊を造って、静々と屍を踏みながら進んで来た。彼らの連なった楯の上からは油をにじませた茅花つばな火口ほぐちが鋒尖につきささられて燃えていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
黒煉瓦焼く火の火口ほぐち夜は見えてけしきばかりをかんゆるぶめり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「どうして、こちらでは、これでも至って、手軽な注文をつけたつもりなので……」と銀延ぎんのべ煙管きせるをだし、行燈あんどん灯口ほぐちから、周馬は、すぱりと一服吸いつけながら
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ灯口ほぐちに瓦斯の出が細いかして、町全体を魂祭りの宵かのように陰気に照り現すのであったが、それでも、夕闇の行詰った重苦しさの気をかえ一息つかして呉れる。
美少年 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)