老夫おじ)” の例文
われはハヤゆうべ見し顔のあかき老夫おじせなに負われて、とある山路をくなりけり。うしろよりはかのうつくしき人したがい来ましぬ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われはハヤゆうべ見し顔のあかき老夫おじせなに負はれて、とある山路やまじくなりけり。うしろよりはのうつくしき人したがひ来ましぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
見覚えある板塀のあたりに来て、日のややくれかかる時、老夫おじはわれをいだおろして、溝のふちに立たせ、ほくほくうちえみつつ、慇懃いんぎんに会釈したり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見覚えある板塀いたべいのあたりに来て、日のややくれかかる時、老夫おじはわれをいだおろして、溝のふちに立たせ、ほくほくうちゑみつゝ、慇懃いんぎん会釈えしやくしたり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蘆間あしま小舟おぶねともづなを解きて、老夫おじはわれをかかえて乗せたり。一緒ならではと、しばしむずかりたれど、めまいのすればとて乗りたまわず、さらばとのたまうはしにさおを立てぬ。船は出でつ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蘆間あしま小舟おぶねともづなを解きて、老夫おじはわれをかかへて乗せたり。一緒いつしよならではと、しばしむづかりたれど、めまひのすればとて乗りたまはず、さらばとのたまふはしにさおを立てぬ。船はでつ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)