“躄車”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いざりぐるま75.0%
くるま25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして小娘の手から酔どれの襟首をひったくると、躄車いざりぐるまみたいに往来に引き出して行って、そして二人を同時に鉋屑のように抛り出した。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
夫婦して小さな躄車いざりぐるまのようなものに病人らしい老母を載せて引いて行く、病人が塵埃で真黒になった顔を俯向うつむけている。
震災日記より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
二人は、躄車くるまを押して、屋敷の方へ行くことにし、頼母は、まず、草に捨ててある刀を拾い取り、老人の背の鞘へ差してやった。それから躄車を押しにかかった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
躄車くるまなどに乗せてやりましては、世間への見場悪く、……いっそ、道了様を屋敷内へお遷座うつししたらと……庭師に云い付け、同じ形を作らせましたところ、虚妄うつろごころの父、それを同じ道了様と思い
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)