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虚言
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うそ
ふりがな文庫
“
虚言
(
うそ
)” の例文
秘密にする必要がない事でも、君江は人に問われると、唯にやにや笑いにまぎらすか、そうでなければ口から出まかせな
虚言
(
うそ
)
をつく。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
虚言
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
いて……革財布は彼方で
入用
(
いりよう
)
とはなんだ、ちゃんと
此処
(
こゝ
)
に百金届いていますよ……其の百両の金は
何処
(
どっ
)
から持って来たんだ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ほんとうに双鶴館の
女将
(
おかみ
)
が来たのではないらしくもあり、番頭までが倉地とぐるになっていてしらじらしい
虚言
(
うそ
)
をついたようにもあった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
かやうな訳で、運命は全く前定して居るものとすることは
虚言
(
うそ
)
であります、又全く前定して居ないと申すのも虚言であります。
運命は切り開くもの
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
だって、
虚言
(
うそ
)
をいっちゃあなりませんって、そういつでも先生はいう癖になあ。ほんとうに僕、花の方がきれいだと思うもの。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その様子が「御気の毒ですが事実だから仕方がありません。医者は自分の職業に対して
虚言
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
く訳に行かないんですから」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「チョイとチョイと本田さん、敢て一問を呈す、オホホホ。貴方は何ですネ、口には同権論者だ同権論者だと仰しゃるけれども、
虚言
(
うそ
)
ですネ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
虚言
(
うそ
)
を
衝
(
つ
)
け」と、保さんは
叱
(
しっ
)
した。取組は前から知っていて、
小柳
(
やなぎ
)
が陣幕の敵でないことを固く信じていたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
旦那様に
虚言
(
うそ
)
を申すわけには参りませんからありのままをお話し致しますが、実際上一割ぐらいのコンミッションは、今のところ一般に必要と致します。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
ある人は蓮太郎の人物を、ある人はその
容貌
(
ようばう
)
を、ある人はその学識を、いづれも穢多の生れとは思はれないと言つて、どうしても
虚言
(
うそ
)
だと言張るのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
篠田は語り
継
(
つづ
)
く「人間の
尤
(
もつと
)
も耻づかしいのは、
虚言
(
うそ
)
を吐くことです、
喧嘩
(
けんくわ
)
することです、
懶
(
な
)
まけることです」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
西宮さんがそんな
虚言
(
うそ
)
を言う人ではないと思い返すと、小万と二人で自分をいろいろ慰めてくれて、小万と
姉妹
(
きょうだい
)
の約束をして、小万が西宮の妻君になると自分もそこに同居して
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
見え透いた
虚言
(
うそ
)
、藤吉はにっこりした。そしてなれなれしく、一本ずいと突っ込んだ。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
桑名十一万石のご当主の
御身
(
おんみ
)
、田沼ごときに抑えられ、家臣は殺されその娘はかどわかされ、しかも下手人の九十郎を、引き渡すよう掛け合われても、みすみす田沼に
虚言
(
うそ
)
をいわれ
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
可笑しい事だが
虚言
(
うそ
)
ではない、止めても止めても涙が出る位に感動したのだつた。
海郷風物記
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「ふん、またお
化
(
ばけ
)
か」と検事は顔を
顰
(
しか
)
めて
呟
(
つぶや
)
いたが、同時に唇の奥で、それとも伸子の
虚言
(
うそ
)
か——と附け加えたのは当然であろう。しかし、熊城はただならぬ決意を
泛
(
うか
)
べて立ち上った。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
機
(
しほ
)
に九郎兵衞は此方より
飛
(
とん
)
で出九助の
髻
(
もとゞ
)
りを
掴
(
つか
)
み取て
捻伏
(
ねぢふせ
)
齒
(
は
)
を
喰切
(
くひしめ
)
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めて
散々
(
さん/″\
)
に叩き
居
(
すゑ
)
汝
(
おの
)
れは
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
江戸へ出て金を
貯
(
ため
)
親父が
質田
(
しちた
)
を
取返
(
とりかへ
)
すの又は百八十兩
貯
(
たくは
)
へたの貰つたのと
虚言
(
うそ
)
八百を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分の
虚言
(
うそ
)
の見破られた意識から、ナースチャは困って泣きそうになった。
赤い貨車
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
況
(
ま
)
して外国の書を
読
(
よん
)
で
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の制度文物を
夫
(
そ
)
れ
是
(
こ
)
れと論ずるような者は、どうも
彼輩
(
あいつ
)
は
不埒
(
ふらち
)
な奴じゃ、
畢竟
(
ひっきょう
)
彼奴等
(
あいつら
)
は
虚言
(
うそ
)
を
吐
(
つい
)
て世の中を
瞞着
(
まんちゃく
)
する
売国奴
(
ばいこくど
)
だと云うような評判がソロ/\
行
(
おこなわ
)
れて来て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
出陣間際に縁起でもないことをわざわざ報告に来たわけである。義元も敗けて居ずに「汝は我が
怨敵
(
おんてき
)
である、どうして我に吉凶を告げよう」、人間でなくても
虚言
(
うそ
)
をつくかも知れないとやり込めた。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この間言ったこともまるで
虚言
(
うそ
)
かも知れぬ。この夏期の休暇に
須磨
(
すま
)
で落合った時から出来ていて、京都での行為もその望を満す為め、今度も恋しさに
堪
(
た
)
え兼ねて女の後を追って上京したのかも知れん。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「ええ、何もそんな事
虚言
(
うそ
)
いわないわ。それに仲々
美人
(
いいひと
)
よ」
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
わたくしはお雪の家を夜の散歩の休憩所にしていたに過ぎないのであるが、そうする為には方便として口から出まかせの
虚言
(
うそ
)
もついた。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だつて、
虚言
(
うそ
)
をいつちやあなりませんつて、さういつでも
先生
(
せんせい
)
はいふ
癖
(
くせ
)
になあ、ほん
とう
(
ママ
)
に
僕
(
ぼく
)
、
花
(
はな
)
の
方
(
はう
)
がきれいだと
思
(
おも
)
ふもの。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
花「それは有り難い、
仮令
(
たとえ
)
虚言
(
うそ
)
でも日の下開山横綱と云って貰えば
何
(
なん
)
となく心嬉しい、やア、お茶を上げろよ、さア
此方
(
こっち
)
へ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恐るれば福を致し、或は侮り、或は
亢
(
たかぶ
)
れば災を致すのは、何事に於ても必ず然様有る可き道理である。古人は決して我等に
虚言
(
うそ
)
を語つて居らぬ。
震は亨る
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
真実
(
ほんと
)
か、
虚言
(
うそ
)
か——もし其が事実だとすれば、無論高柳の
復讐
(
ふくしう
)
に相違ない。まあ、丑松は半信半疑。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
翁の
頭脳
(
あたま
)
には一人の大きな戯曲家が住んで居る。其れ故、始めて翁と語る者は、彼は
幻視
(
まぼろし
)
と事実と混同して居るんじや無いかと思ふ。或は彼は誇大な
虚言
(
うそ
)
を吐く男だと思ふ。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
二人が二人ながら見えすいた
虚言
(
うそ
)
をよくもああしらじらしくいえたものだ。おおそれた弱虫どもめ。葉子は世の中が手ぐすね引いて自分
一人
(
ひとり
)
を敵に回しているように思った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
然
(
しか
)
るに保は入舎を欲せないので、「母病気に
付
(
つき
)
当分の
内
(
うち
)
通学
御
(
ご
)
許可
相成度
(
あいなりたく
)
」云々という願書を呈して、旧に
依
(
よ
)
って本所から通っていた。母の病気というのは
虚言
(
うそ
)
ではなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「あんな事を云ッて
虚言
(
うそ
)
ですよ、
慈母
(
おっか
)
さんが小遣いを遣りたがるのよ、オホホホ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
掻
(
かき
)
成程
(
なるほど
)
不審
(
ふしん
)
は
道理
(
もつとも
)
の事實は我等が大病なりと手紙に
記
(
かき
)
て
遣
(
やり
)
しは
虚言
(
うそ
)
なり
譯
(
わけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
虚言
(
うそ
)
ばッかし。ようござんすよ。たんとお一人でおいでなさいよ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
吾々は時とすると理詰の
虚言
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
かねばならぬ事がある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虚言
(
うそ
)
と思うなら目にも三坪の
佗住居
(
わびずまい
)
。珍々先生は現にその妾宅においてそのお妾によって、実地に安上りにこれを味ってござるのである。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
渠
(
かれ
)
がいう処のしらじらしさ、
虚言
(
うそ
)
は見透きて
明
(
あきらか
)
なれど、あらずというべき証拠なければ、照子は返さん言葉も無く、
悄
(
しお
)
れて
首
(
こうべ
)
を
低
(
た
)
れたまいぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯
(
はい
)
、ありがたうはござりまするが、
虚言
(
うそ
)
は申せず、厭なりや出来ませぬ。
汝
(
おのれ
)
よく云つた、源太の言葉にどうでもつかぬ歟。是非ないことでござります。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
南無大慈大悲
(
なむだいじだいひ
)
の
観世音菩薩
(
くわんぜおんぼさつ
)
……いやア
巨
(
おほ
)
きなもんですな、人が
盲目
(
めくら
)
だと思つて
欺
(
だま
)
すんです、
浅草
(
あさくさ
)
の
観音
(
くわんおん
)
さまは一
寸
(
すん
)
八
分
(
ぶ
)
だつて、
虚言
(
うそ
)
ばツかり、
巨
(
おほ
)
きなもんですな。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分があれほどの愛着をこめて看護してもよくならなかったものが、愛子なんぞの通り一ぺんの世話でなおるはずがない。また愛子はいいかげんな気休めに
虚言
(
うそ
)
をついているのだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
道柏は利章に、「己はお主が父卜庵の友ぢやが、卜庵は生涯
虚言
(
うそ
)
は言はなんだ、お主は父に生れ劣つたぞ」と云つた。利章は「貴殿は近頃の事を御存じないから分からぬ」と云つた。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
忽
(
たちま
)
ち座敷の一隅に声あり「お虎さんは、今日俺に鉛筆呉れるなんて
虚言
(
うそ
)
を言つたぜ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
虚言
(
うそ
)
仰しゃい。
譬
(
たと
)
えばネ熱心でも、貴君のような同権論者は私ア
大嫌
(
だいきら
)
い」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
はゝゝゝゝ、瀬川君の病気は
不良
(
わる
)
くなるのも早いし、
快
(
よ
)
くなるのも早い。まあ大病人のやうに
呻吟
(
うな
)
つてるかと思ふと、また
虚言
(
うそ
)
を言つたやうに
愈
(
なほ
)
るから不思議さ——そりやあ、もう、
毎時
(
いつも
)
御極りだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
虚言
(
うそ
)
ばッかし。ありゃ初緑さんだよ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
行先を教えて先へ行って待っていて下さいと
虚言
(
うそ
)
をついて、それなり寐こかしを食わしてしまうつもりであったのだ。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
はい、ありがとうはござりまするが、
虚言
(
うそ
)
は申せず、厭なりゃできませぬ。
汝
(
おのれ
)
よく云った、源太の言葉にどうでもつかぬか。是非ないことでござります。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
だって、私、
母様
(
おっかさん
)
のおっしゃること、
虚言
(
うそ
)
だと思いませんもの。私の母様がうそをいって聞かせますものか。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
市「誰が呉れやした、
虚言
(
うそ
)
ばかり
吐
(
つ
)
いて、此の体は
木彫
(
きぼり
)
じゃアねえし
仏師屋
(
ぶっしや
)
が造ったなんてえ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ナニ、鍛工組合が決議した——吾妻、又た
虚言
(
うそ
)
吐
(
つ
)
いちや承知せぬぞ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「そんなことは、
虚言
(
うそ
)
だ」とお種は腹立たしげに打消した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
虚
常用漢字
中学
部首:⾌
11画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“虚言”で始まる語句
虚言堂
虚言家
虚言者
虚言浮説