虚言きょげん)” の例文
「御卑怯である。信長は、あなたのお生命いのちなど、こうなっても戴こうとしておるのではない。——なぜ、虚言きょげんをかまえられるか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なるほど、自分はあのころ、虚言きょげん策略さくりゃく、暴力、偽善ぎぜん、そのほかありとあらゆる卑劣ひれつな手段を毎日もてあそんでいた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
斯ういう風に一個人を相手にすれば虚言きょげんだけれど、一般公衆を相手にすれば想像力イマジネーションの発揚になる。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
では何故土岐がこんな虚言きょげんろうしたか?
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なんで、かような大事に、虚言きょげんを構えましょうや。山攻めとは、怖れながら、間近の敵をいつわ詭計きけいにござりまする」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵糧は戦いのかて。運輸の役も戦いである。だのに、戦いを見て戦いをめるというのは、すでに大なる怠りだ。しかも汝の言い訳は虚言きょげんに過ぎない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやいや、万吉の眼では、そんな虚言きょげんを吐く人間とは思われなかった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん虚言きょげんである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)