鷲嶺わし)” の例文
痛む足をかかえて寝ていた旅籠はたごの一室から、毎日のように仰いでいた、気に喰わない鷲嶺わしのすがたへ、彼は今、こうして肉薄して来たのである。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおうっ、おれの上にはなにものもない。おれは鷲嶺わしを踏んでいる!」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
衆山を抜いて、白雲のうえに、超然としている鷲嶺わしの頭のさきを見ていると、武蔵は、柳生石舟斎のすがたが思い出されてならない。石舟斎という人物は、おそらくあんな感じの老人ではないかと思う。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)