わし)” の例文
旧字:
ベンヺ いや、これは和睦わぼくさせうためにしたことぢゃ。けんをさめい、でなくば、そのけんもっわしともに、こいつらを引分ひきわけておくりゃれ。
さもなかつたら、木魂姫がてゐる其の洞穴が裂くる程に、また、あの姫のうつろな声がわしの声よりも嗄るゝ程に、ロミオ/\と呼ばうものを。
文章その他 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
わしは家来に助けられてるが、時きたって失った國綱のお刀がお屋敷へ返るような事になれば、手前にはようにも此の恩返しをせんければならんノウ
そこへて、くらまぬで、わしするあるかほとローザラインのとをお見比みくらべあったら、白鳥はくてうおもうてござったのがからすのやうにもえうぞ。
さもなかつたら、木魂姫がてゐる其の洞穴が裂くる程に、また、あの姫のうつろな声がわしの声よりも嗄るゝ程に、ロミオロミオと呼ばうものを。
文章その他 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ロミオ いや/\、滅相めっさうな。足下きみ舞踏靴をどりぐつそこかるいが、わしこゝろそこなまりのやうにおもいによって、をどることはおろか、あるきたうもない。
わしは又いつまでも斯うして此処に立つてゐよう。そもじにも忘れさせ、自分も此処の事の外は皆忘れて。
文章その他 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
わしは又いつまでも斯うして此処に立つてゐよう。そもじにも忘れさせ、自分も此処の事の外は皆忘れて。
文章その他 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
おお、そんな風に勘定したら、また逢ふまでにはわし老年としよりになつてしまはう!
文章その他 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
おゝ、そんな風に勘定したら、また逢ふまでにはわし老年としよりになつてしまはう!
文章その他 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)