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乃公
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わし
ふりがな文庫
“
乃公
(
わし
)” の例文
韓さんはそんなだつたら
乃公
(
わし
)
が往つても、もう駄目だらうからツて、来てはくれませんでした。お蔭で私は
生命拾
(
いのちひろ
)
ひをしました。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
乃公
(
わし
)
の打診は何処をたゝいても患者の
心臓
(
しんぞう
)
にピーンと響く、と云うのが翁の自慢である。やがて翁は箱の様なものを
抱
(
かか
)
えて来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
怪
(
け
)
しからん、庭に狐が居る、
乃公
(
わし
)
が弓を引いた響に、崖の
熊笹
(
くまざさ
)
の中から驚いて飛出した。あの
辺
(
へん
)
に穴があるに違いない。」
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
宜しいお前達に
与
(
や
)
つて了う。たゞ五分の一だけ呉れろ、
乃公
(
わし
)
は其を
以
(
もつ
)
て北海道に飛ぶからつて。其処で小僧が
九
(
こゝのつ
)
の時でした、親子三人でポイと
此方
(
こつち
)
へやつて来たのです。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
へい/\……
何
(
ど
)
う
致
(
いた
)
しまして、
此通
(
このとほ
)
り
穢
(
きたな
)
うございますから……。主「まア
宜
(
い
)
いよ/\……
此処
(
こゝ
)
を明けて置いては、雪が
吹
(
ふ
)
ツ
込
(
こ
)
むから
疾
(
はや
)
く
此処
(
これ
)
へお
入
(
はい
)
り、……
乃公
(
わし
)
が寒いから……。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「いや、こんなことはまちがいの起り安いものだから、
乃公
(
わし
)
がする」
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「折角の企てぢや、
劇場
(
こや
)
は
乃公
(
わし
)
が何とか心配する事にしようが、出し物が大石なら、
尋
(
つい
)
でに喜剣を河内屋に附き合つて貰つたら
何
(
ど
)
うぢや。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
これは
恐入
(
おそれい
)
つたね、お
前
(
まへ
)
はお
茶人
(
ちやじん
)
だね、あゝこれ/\
彼
(
あ
)
の悪い
膳
(
ぜん
)
に、……
向
(
むか
)
う
付肴
(
づけ
)
が
残余
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを
附
(
つ
)
けて、お
汁
(
しる
)
を
附
(
つ
)
けてチヨツと
会席風
(
くわいせきふう
)
にして……
乃公
(
わし
)
もね
茶道
(
ちや
)
が
嗜
(
す
)
きだからね
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
乃公
(
わし
)
が何を知るものか、今日釣に行っていたが老先生は何にも言わんからの」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「いやいや、そんな積りで言つたのぢやない、
乃公
(
わし
)
らが若い時には、骨なぞ食べ残すやうな事はしなかつたと言つた迄さ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
エ、
侯爵面
(
こうしゃくづら
)
して古い士族を忘れんなと言え。全体
彼奴
(
あいつ
)
等に頭を下げぺこぺこと頼み廻るなんちゅうことは富岡の塾の
名汚
(
なよご
)
しだぞ。
乃公
(
わし
)
に言えば乃公から彼奴等に一本手紙をつけてやるのに。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
……
乃公
(
わし
)
の
家
(
ところ
)
で
今日
(
けふ
)
は
小供
(
ばう
)
の
袴着
(
はかまぎ
)
の
祝宴
(
いはひ
)
があつて、
今
(
いま
)
賓客
(
きやく
)
が
帰
(
かへ
)
つたが少しばかり
料理
(
れうり
)
の
残余
(
あま
)
つたものがあるが、それをお
前
(
まへ
)
に
上
(
あ
)
げたいから、なにか
麪桶
(
めんつう
)
か
何
(
なに
)
かあるか、……
麪桶
(
めんつう
)
があるなら
出
(
だ
)
しな。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だがの、今朝眼がさめて自分の
寝相
(
ねさう
)
を見ると、
乃公
(
わし
)
の
身体
(
からだ
)
が
寝台
(
ねだい
)
の外に
食
(
は
)
み出してゐて、まるでワツフル(お菓子)のやうだつたよ、はゝゝゝ……」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「そうか、今度
逢
(
あ
)
ったら
乃公
(
わし
)
が
宜
(
よ
)
く言ったと言っとくれ!」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
お
主婦
(
かみ
)
さん、
乃公
(
わし
)
はこゝで一寸天文学の講釈をするがね、
凡
(
すべ
)
てこの世界にある物は、二千五百万年経つと、また
元々
(
もと/\
)
通りに
還
(
かへ
)
つて来る事になつてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
劇場
(
こや
)
なら
乃公
(
わし
)
が心配しよう。」それ迄黙つて二人の
談話
(
はなし
)
を聴いてゐた実業家は、横つちよから口を出した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「こゝに金十円と書いてあるが、
乃公
(
わし
)
の書に十円といふ値ぶみはどこから附けたね。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
してみると、
乃公
(
わし
)
らも二千五百万年後には矢張今のやうにお前さんの店で
午飯
(
ひるめし
)
を食つてゐる筈なのだ。ところで、物は相談だが、この勘定をそれまで
掛
(
かけ
)
にして置いては呉れまいかね。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「人間の心はその儘顔に現れるものだ。
乃公
(
わし
)
はかうして自分を戒めてゐるのだ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
手品には失敗したが、巧い事を言つたもので、少将と蕃山と左源太とは、
各自
(
めいめい
)
肚のなかでは、「その偉い器量人は多分
乃公
(
わし
)
だな。」と思つたらしかつた。この人達にだつて
自惚
(
うぬぼれ
)
は相当にあつたものだ。
手品師と蕃山
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“乃公”の意味
《名詞》
吾が輩。俺様。
(出典:Wiktionary)
乃
漢検準1級
部首:⼃
2画
公
常用漢字
小2
部首:⼋
4画
“乃公”で始まる語句
乃公等
乃公達