自分わし)” の例文
自分わしの同門に松浦おろかという少年が居った。こいつは学問は一向出来でけん奴じゃったが、名前の通り愚直一点張りで、勤王の大義だけはチャント心得ておった。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この松浦愚と自分わしは大の仲好しで、二人で醤油買いに行くのに、わざと二本の太い荒縄でたるを釣下げて
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あの声は今日こんにちまで自分わし臓腑はらわたの腐り止めになっている。貧乏というものは辛労きついもので、妻子が飢え死によるのを見ると気に入らん奴の世話にでもなりとうなるものじゃ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)