トップ
>
俺
>
わし
ふりがな文庫
“
俺
(
わし
)” の例文
『それでは、
俺
(
わし
)
の姪にあたるのですが、その亭主が
絵師
(
えかき
)
ですから、
其処
(
そこ
)
へ行ってお聞きなさい、ナアニ、直き向こうの小さい家です』
職業の苦痛
(新字新仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「それは
俺
(
わし
)
にもわからないが、いま
時分
(
じぶん
)
、
釣
(
つ
)
りをするのがまちがっている。」と、百
姓
(
しょう
)
はいい
残
(
のこ
)
して、さっさといってしまいました。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「白い物が何でも
査公
(
おまわりさん
)
なら、
俺
(
わし
)
が頭の手拭も
査公
(
おまわりさん
)
だんべえ」と、警句一番、これにはヘトヘトの一行も
失笑
(
ふきだ
)
さずにはおられなかった。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
「師範なら兎に角物になるが、中学丈けじゃ全く仕方がない。
俺
(
わし
)
もお前一人だから、何うにかする積りでお母さんと話し合ったんだ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そうかい! それは、結構だな、
俺
(
わし
)
は、相変らず貧乏でのう。年頃になった娘にさえ、いろ/\の苦労をかけている始末でのう。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
何
(
なに
)
なりと
訊
(
たず
)
ねて
貰
(
もら
)
います。
研究
(
けんきゅう
)
の
為
(
た
)
めとあれば、
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
でもそのつもりで、
差支
(
さしつかえ
)
なき
限
(
かぎ
)
り
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けて
話
(
はな
)
すことにしましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
でもしお前の兄の身に暗いところがなかったなら、謀反人呼ばわりした
俺
(
わし
)
こそ、かえって部落の
攪乱
(
みだし
)
者。お前にとっても兄の仇じゃ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それは
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
からいふ
言葉
(
ことば
)
でさあ。こうして
此處
(
こゝ
)
で
生
(
うま
)
れて
此處
(
こゝ
)
でまた
死
(
し
)
ぬ
俺等
(
わしら
)
です。一つ
旅
(
たび
)
の
土産
(
みやげ
)
はなしでもきかせてくれませんか」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「先生様のお為めなら、
俺
(
わし
)
い、
何時
(
いつ
)
だつて投票するだと、
彼方
(
あつち
)
からも
此方
(
こつち
)
からも持掛けるんで定めし先生様もお困りでがせうな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「……それはなって行くだろうと
俺
(
わし
)
も思う。だから、おばばも元気を出して、ともどもに、あの息子を励ましてやらねばなるまい」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何だ。あの物のいい振りは。
俺
(
わし
)
はあんな人間がお前の姉の亭主だと思うと厭だからいわなくとも早くどこか探して出てゆくよ」
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
『
俺
(
わし
)
の処の六角時計ですな、あれが何うも時々針が止つて
為様
(
しやう
)
がないのですが、役場に持つて来たら直して貰へるでせうな?』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
炎天つゞきの真夏のことであつた、
俺
(
わし
)
はこの夏米山越をしました。峠の上りにかゝつた頃はもう午下り、一時頃ででもあつたでありませう。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
俺
(
わし
)
は博勞だがもう先月から越後へ三度も渡るが雜用が掛つてよう儲からんといひながら其風呂敷包から梨を一つ引き出した。
佐渡が島:波の上
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それだからこうやって、夜
夜中
(
よなか
)
開放
(
あけっぱな
)
しの門も閉めておく、分ったかい。
家
(
うち
)
へ帰るならさっさと帰らっせえよ、
俺
(
わし
)
にかけかまいはちっともねえ。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「黙れ。もう
俺
(
わし
)
の云う事には背かぬと、たった今云ったではないか。この心得違い者
奴
(
め
)
が。貴様も矢張り紅木大臣のような眼に会いたいのか」
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「あのね、あの虫は大変賢いだらう。だから
俺
(
わし
)
の鼻の
孔
(
あな
)
に沢山毛が生えて、
垢
(
あか
)
もついてゐるから、毛をかつたり垢を掃除したりさせるのだよ。」
漁師の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
俺
(
わし
)
らは直ぐに作男や小作人たちを集めて駆けつけましただが——駄目でがした。殺生谷の入口のところで、木枝に引懸っていた奥様の着物の袖を
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今の今まで隠匿しておった廉で、
俺
(
わし
)
は禁錮を申し渡さなければなりますまい。いや、実は家内に頼まれたのじゃが……
頸の上のアンナ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「そんなに
何時
(
いつ
)
までも何時までも
俺
(
わし
)
の
援助
(
たすけ
)
に
俟
(
ま
)
たなければならないやうなものなら、何もかも
止
(
よ
)
して、地面を俺にかへして
貰
(
もら
)
はなければならない。」
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
その声は
嗄
(
しゃが
)
れていてぎごちなくて、銹びた錠前のようだった。「
俺
(
わし
)
は
可哀
(
かええ
)
そうなベン・ガンだよ。この三年間も人間と口を利いたことがねえんだ。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「有難うよ。御主人は
俺
(
わし
)
を知ってだから」と、スクルージはもう食堂の錠の上に片手を懸けながら云った。「すぐにこの中に這入って行くよ、ねえ。」
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
こんなことを少し物を
識
(
し
)
った女である夫人は見苦しがって、冷淡に見ていることで守は腹をたてて、
俺
(
わし
)
の秘蔵子をほかの娘ほどに愛さないとよく恨んだ。
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
俺
(
わし
)
にはもうじとじとした
呪
(
のろ
)
いの霧が山中にまつわって、木々の影まで怪しくゆらめいて来たような気がするわ。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
「人の耳に入ってまこと悪くば、聴いた
其奴
(
そやつ
)
を
捻
(
ひね
)
りつぶそうまで。臙脂屋、其方が耳を持ったが気の毒、今此の
俺
(
わし
)
に捻り殺されるか知れぬぞ。ワッハハハ」
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
した。主人の
俺
(
わし
)
が
斯
(
こ
)
う手をついてあやまるから、
何卒
(
どうぞ
)
内済
(
ないさい
)
にしてくれ。其かわり君の将来は必俺が面倒を見る。
屹度
(
きっと
)
成功さす。これで一先ず内地に帰ってくれ
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「泊めて呉れるかな」「頼んで
御覧
(
ごらう
)
じ、どれ
俺
(
わし
)
も一緒に帰つて行かずか、其処まで一緒に行つて上げずよ」
伊良湖の旅
(新字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
「それはそうと親方、お前さんは何かこの道庵に
内緒
(
ないしょ
)
の頼みがあると言いなすったから、それで
俺
(
わし
)
はやって来たのだが、
内密
(
ないしょ
)
の頼みというのはいったい何だね」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「さようかな、
俺
(
わし
)
は之が大好きでなあ、ビタミンを含んどると云う事じゃ」彼は一つ
撮
(
つま
)
んで口へ入れた。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「
俺
(
わし
)
にやあ、エドワァドさまのなさることは分つてゐましたさ。きつといつまでも待つちやあゐさつしやらんと思つたが。何しろようござんした。お目出度う!」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「
俺
(
わし
)
の第六感は
外
(
はず
)
れたことがないのだ。それにしても、もう午前三時を過ぎた頃じゃろうが……」
空襲下の日本
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
俺
(
わし
)
ん
許
(
とこ
)
ではお寺の建立があろうが、学校の修繕があろうが、堤防の修築があろうが、先祖代々から一文半
厘
(
りん
)
も出した先例がないので、村のことでさえそういうわけだから
厄払い
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ハハア
俺
(
わし
)
かと
笑
(
えみ
)
を含んで可なり詳しく話して呉れたのであったが、其当時書き留めて置かなかったので殆ど忘れてしまったのは、今思うと誠に惜しいことをしてしまった。
木曽駒と甲斐駒
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「網は外の柿の木に乾してあるが、お前さん、
狐
(
きつね
)
にでも
撮
(
つま
)
まれているじゃないか、
俺
(
わし
)
はこの浦で二十年来漁師をやっているが、買手を待たして置いて獲る程
鯉
(
こい
)
は獲れないよ」
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『大金持にだつてなれるのに此の坊主は
俺
(
わし
)
にたつた一と握りの小麦をねだつたりして。』
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
「おん
者
(
しゃ
)
ら(和歌山の方言でお前という意)
俺
(
わし
)
の兄弟のこと悪う抜かすことないわい」
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「お前に解らないことが、
俺
(
わし
)
に解る道理はないよ。——だが、どんな事なんだ」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔から君という男を、あれだけ馬鹿にしきって、ふみつけにしてやってきたこの
俺
(
わし
)
という人間——この人間の正体がこれだよ。そういう君から、こんなさ中に握り飯を貰って、ガツガツと食っている。
樹氷
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
「遊佐なら人手を待たぬ。
俺
(
わし
)
の心を察して、俺にまかせてくれ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ぢやによつて、
俺
(
わし
)
なんざあ、遠くの方はてんきりみんぢやて
星とピエロ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「この村では、
俺
(
わし
)
を地主だと思ってもらわにゃならん。」
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「必要があるか? 娘は今現在□□で悪い奴の、手で苦しめられて逃げることも出来ずに、泣いて居るのですぜ、もう貴方には頼まん、初めから警察へ持てゆかなんだが
俺
(
わし
)
の手落じゃ、警察へ頼みます、帰って下さい」
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
「でお前から
俺
(
わし
)
に頼んでくれと云うんだな。」
過渡人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「さあ、来たぞ。——ここが
俺
(
わし
)
の仕事場だ。」
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
俺
(
わし
)
らが一生はなほ火事じや
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのとき、
俺
(
わし
)
は、もし、
声
(
こえ
)
がよかったら、ほかの
鳥
(
とり
)
にそねまれたり、
人間
(
にんげん
)
にねらわれたりして、
安心
(
あんしん
)
した
生活
(
せいかつ
)
が
送
(
おく
)
られないといった。
すみれとうぐいすの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「瀬戸君、それは富士子の言う通り、
俺
(
わし
)
も甚だ感心しないな。君は引っ張っている事情を知っていながら、何故黙っていたんだね?」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「どっこいやらぬ」と引っ
捉
(
とら
)
え、「女の足でこの夜道、しかも険しい山道を、走ったところで間に合わぬ。それより
俺
(
わし
)
の酌でもせい」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その代り、みなもその覚悟してな、
入牢
(
じゅろう
)
の腹を決めて下されな。
俺
(
わし
)
も、ことによっては、磔にでもなんでもなる覚悟をするけにな。
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これから
俺
(
わし
)
の
申
(
もう
)
すところをきいて、十
分
(
ぶん
)
に
修行
(
しゅぎょう
)
を
積
(
つ
)
まねばならぬ。
俺
(
わし
)
は
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
から
遣
(
つか
)
わされた
汝
(
そち
)
の
指導者
(
しどうしゃ
)
である、と
申
(
もう
)
しきかされた。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
“俺”の意味
《代名詞》
(おれ)主に男性が用いる、ぞんざいな自称。
(出典:Wiktionary)
俺
常用漢字
中学
部首:⼈
10画
“俺”を含む語句
俺等
俺家
俺達
俺共
俺許
俺故
俺方
此方俺