吝嗇けちんぼ)” の例文
「メクワジヤ」と稱する貝は青くて病的な香を發する下等動物である。それを多食する吝嗇けちんぼの女房はよく眼を病んで堀端ほりばたで鍋を洗つてゐた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
通して見た、この壁燈の光なんです。け放しなんて——こんなことは、ラザレフの吝嗇けちんぼが狂人にでもならなけりゃ、てんでありっこないのですがね。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
諸君も御存じのごとく神ほど吝嗇けちんぼ空耳そらみみつかいで無精な独善家はない、曾古津様は出雲の親方から配当でももらったものか小さな祠の中に寝そべったままうんともすんとも答えなかった。