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嗄
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しわ
ふりがな文庫
“
嗄
(
しわ
)” の例文
彼は
嗄
(
しわ
)
がれた低い声で、一大事を打ちあけるかのように、少佐の顔を見つめながら、こんな風に云うのであった。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
嗄
(
しわ
)
がれた女の声で『誰だね、門を敲いてるのは? 何を騒いでるだね?』と言うのを主従は耳にした。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「わが子よ」
嗄
(
しわ
)
がれし声にて呼びぬ。答なし。窓を吹く風の音
怪
(
あや
)
しく鳴りぬ。夢なるか
現
(
うつつ
)
なるか。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
病気でもあるらしい
嗄
(
しわ
)
がれてがさがさした声、——どの一つを取っても昔のおもかげはない、おもんであることは慥かだが、しかしそれはもう決しておもんではなかった。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
片方の足を厚ぼったく繃帯し、そのように萎れている伸子が惨めな有様に見えたのだろう、先生は、老年で幾分
嗄
(
しわ
)
がれたが、生彩のある音声で、
懇
(
ねんご
)
ろに彼女の健康を尋ねた。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
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これも、長煙管を、火鉢の縁で、コンコン鳴らしながら、男のような
嗄
(
しわ
)
がれ声で
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
その声は、火煙のために
嗄
(
しわ
)
がれてはいたが……。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「京助や」と云ったが
嗄
(
しわ
)
がれた声であった。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
喝采の声も
嗄
(
しわ
)
がれていつた。
傾ける殿堂
(新字旧仮名)
/
上里春生
(著)
嗄
(
しわ
)
がれたふるえ声である。もう五十歳を越えた年配かと、推定された。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
話しては、やや
嗄
(
しわ
)
がれた平坦な音声で、常識的に話を進めて行く。伸子の興味は、又程なくそれに物足りなさを覚えてきた。彼女は、話をききながら、向い側に並んでいる男達の顔を見較べはじめた。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
嗄
漢検1級
部首:⼝
13画
“嗄”を含む語句
皺嗄声
皺嗄
嗄声
咳嗄
嗄枯
嗄々
嗄聲
洒嗄
老嗄
薄嗄