頸筋えりすじ)” の例文
つぶやきつつ、提灯差附け凝視みつむれば、身装みなりこそ窶々やつやつしけれ、頸筋えりすじの真白きに、後毛おくれげにおいこぼるる風情、これはと吉造首をひねって、「しっかりせい。」襟よりずっと手を差入れ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
脱ぐとうすものの襟が、肉置ししおきのほどの頸筋えりすじかかって、すっと留まったのを、貴婦人の手が下へ押下げると、見る目にはいじらしゅう、引剥ひっぱぐように思われて、裏を返して、はらりと落ちて
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)