馘首くび)” の例文
その揚句あげくにはまた、私は複雑した関係から市役所を馘首くびになり、妻と二人で浮草のように漂泊しなければならない身となった。
会社の方はべつに馘首くびにはならなかったが職場を変更されて、採炭には直接関係のない坑外の人車捲きの係りに廻された。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
「可哀想に……若し馘首くびにでもなって御覧なさい。あなた、御自分の会社ででも引取って上げなければ申訳ありませんよ。それが出来ますか。あなたの責任だわ」
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
「いまお願いして、倉庫で、私の下を働かせて、いただいてるのです。というのは、下町したまち薬種屋やくしゅやで働いていたのが、馘首くびになりましてナ、栗原のところへ、ころがりこんできたのです」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「山本ふみちゃんを馘首くびにさしたのもおまえじゃないか」
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
「だけど、馘首くびになるといけないから」
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
うんと言はねば 馘首くびとなる
馘首くびがあるってことだ」
小問題大問題 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
青木っ! てめえの裏切りが、僕等四人を馘首くびにしただけじゃねえってことを、よく見て置け。ここにこうして死んでいる女は、僕が首切り賃をわけてやった女だ。
機関車 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「吉田機関手って、馘首くびになった吉田のことかな?」
機関車 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)