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首
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くび
ふりがな文庫
“
首
(
くび
)” の例文
やがて
盗賊
(
とうぞく
)
どもは、
生人形
(
いきにんぎょう
)
を
奥
(
おく
)
から
持
(
も
)
ってきましたが、
首
(
くび
)
はぬけ手足はもぎれて、さんざんな
姿
(
すがた
)
になっていました。それも
道理
(
もっとも
)
です。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
所
(
ところ
)
へ
顏
(
かほ
)
の
割
(
わり
)
に
頭
(
あたま
)
の
薄
(
うす
)
くなり
過
(
す
)
ぎた
肥
(
ふと
)
つた
男
(
をとこ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
大變
(
たいへん
)
丁寧
(
ていねい
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
をしたので、
宗助
(
そうすけ
)
は
少
(
すこ
)
し
椅子
(
いす
)
の
上
(
うへ
)
で
狼狽
(
あわて
)
た
樣
(
やう
)
に
首
(
くび
)
を
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
勘次
(
かんじ
)
はそれでも
他
(
た
)
に
分別
(
ふんべつ
)
もないので
仕方
(
しかた
)
なしに
桑畑
(
くはばたけ
)
を
越
(
こえ
)
て
南
(
みなみ
)
へ
詑
(
わび
)
を
頼
(
たの
)
みに
行
(
い
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
古
(
ふる
)
い
菅笠
(
すげがさ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
頭
(
あたま
)
へ
翳
(
かざ
)
して
首
(
くび
)
を
蹙
(
ちゞ
)
めて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
料理番がカモの
首
(
くび
)
をちょんぎって、はらわたをだしてみますと、はたして、
胃
(
い
)
ぶくろのなかにお
妃
(
きさき
)
さまの
指輪
(
ゆびわ
)
がはいっていました。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
百姓
(
ひゃくしょう
)
は、ひょいと
首
(
くび
)
を起して、思わず、あたりを見まわしました。ほんのちょっとのあいだ、わたしの言うことにつられたのです。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
こんどは
用吉君
(
ようきちくん
)
が、
得意
(
とくい
)
の
手
(
て
)
で
相手
(
あいて
)
の
首
(
くび
)
をしめにかかったが、
反対
(
はんたい
)
に
自分
(
じぶん
)
の
首
(
くび
)
をしめつけられ、ゆでだこのようになってしまった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
本堂の横の拾石に腰をおろすと、後ろから
跟
(
つ
)
いて來た人は、そつと平次の側に立つて、
首
(
くび
)
うな
垂
(
だ
)
れて何やら切つかけを待つて居る樣子。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すぐさま石垣からとびおりると、ガチョウのむれのまんなかに
駆
(
か
)
けこんで、その若いガチョウの
首
(
くび
)
っ
玉
(
たま
)
にかじりついて、さけびました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ると
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
首
(
くび
)
が
長
(
なが
)
くなつて
居
(
ゐ
)
て、
宛
(
まる
)
でそれは、
遙
(
はる
)
か
眼下
(
がんか
)
に
横
(
よこ
)
たはれる
深緑
(
しんりよく
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
海
(
うみ
)
から
抽
(
ぬ
)
き
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る
莖
(
くき
)
のやうに
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ところが
驚
(
おどろ
)
いたことには、
切
(
き
)
られた
犬
(
いぬ
)
の
首
(
くび
)
は、いきなり
飛
(
と
)
び
上
(
あ
)
がって、りょうしの
眠
(
ねむ
)
っていた
頭
(
あたま
)
の上の木の
枝
(
えだ
)
にかみつきました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
はあと
嘉十
(
かじふ
)
もこつちでその
立派
(
りつぱ
)
な
太陽
(
たいやう
)
とはんのきを
拝
(
おが
)
みました。
右
(
みぎ
)
から三ばん
目
(
め
)
の
鹿
(
しか
)
は
首
(
くび
)
をせはしくあげたり
下
(
さ
)
げたりしてうたひました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
考えていたような恐ろしい顔も、みにくい顔もあらわれてはこずに、男の顔はかき消え、
首
(
くび
)
なしの
怪人
(
かいじん
)
がそこにつっ立っていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
げに我は
首
(
くび
)
なき一の
體
(
からだ
)
の悲しき群にまじりてその行くごとくゆくを見たりき、また我いまもこれをみるに似たり 一一八—一二〇
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「
直之
(
なおゆき
)
の首は暑中の折から、
頬
(
ほお
)
たれ
首
(
くび
)
になっております。従って臭気も甚だしゅうございますゆえ、
御検分
(
ごけんぶん
)
はいかがでございましょうか?」
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あの、りゅうがかいてある
香炉
(
こうろ
)
の
頭
(
あたま
)
は、ししの
首
(
くび
)
なんだね。」と、
台
(
だい
)
にのっている、そめつけの
香炉
(
こうろ
)
を、
竹夫
(
たけお
)
はさしました。
ひすいの玉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
首
(
くび
)
をすくめながら、
口
(
くち
)
の
中
(
なか
)
でこう
呟
(
つぶや
)
いた
春重
(
はるしげ
)
は、それでも
爪
(
つめ
)
を
煮込
(
にこ
)
んでいる
薬罐
(
やかん
)
の
傍
(
そば
)
から
顔
(
かお
)
を
放
(
はな
)
さずに、
雨戸
(
あまど
)
の
方
(
ほう
)
を
偸
(
ぬす
)
み
見
(
み
)
た。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
かくてもあられねば
妻
(
つま
)
は
着
(
き
)
たる
羽織
(
はおり
)
に
夫
(
をつと
)
の
首
(
くび
)
をつゝみてかゝへ、
世息
(
せがれ
)
は
布子
(
ぬのこ
)
を
脱
(
ぬぎ
)
て父の
死骸
(
しがい
)
に
腕
(
うで
)
をそへて
泪
(
なみだ
)
ながらにつゝみ
脊負
(
せおは
)
んとする時
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一方では舞妓たちが藤棚の下へ
床几
(
しょうぎ
)
をもちこみ、銀のかんざし
花櫛
(
はなぐし
)
のきれい
首
(
くび
)
をあつめて、
和蘭陀
(
おらんだ
)
カルタをやりはじめていた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心得
(
こゝろえ
)
て
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
で……はさんでは
棄
(
す
)
てる
蛇
(
へび
)
の、おなじ
場所
(
ばしよ
)
に、おなじかま
首
(
くび
)
をもたげるのも、
敢
(
あへ
)
て、
咒詛
(
じゆそ
)
、
怨靈
(
をんりやう
)
、
執念
(
しふねん
)
のためばかりではない
事
(
こと
)
を。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
着
(
つけ
)
られし通り傳吉は何れにも
正路
(
しやうろ
)
の者右の河原にて
殺
(
ころ
)
されたる女は空せみ又一人の男は彼を
勾引
(
かどはかし
)
たる
奴
(
やつ
)
ならんが二ツの
首
(
くび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
君子
(
きみこ
)
が
不審
(
いぶか
)
しさに
母親
(
はゝおや
)
の
容子
(
ようす
)
に
目
(
め
)
をとゞめた
時
(
とき
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
亡夫
(
ばうふ
)
の
寫眞
(
しやしん
)
の
前
(
まへ
)
に
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れて、
靜
(
しづ
)
かに、
顏色
(
かほいろ
)
青褪
(
あをざ
)
めて、
身
(
み
)
じろぎもせず
目
(
め
)
をつぶつてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「よッ、先程の釣り侍じゃな? 七十三万石の太守に
対
(
むか
)
って、もぐり大名とは何ごとじゃッ、何事じゃッ、
雑言申
(
ぞうごんもう
)
さるると
素
(
そ
)
ッ
首
(
くび
)
が飛び申すぞッ」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
あの
締
(
し
)
められた
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れ
眼
(
め
)
を
白
(
しろ
)
くしまして、
羽
(
はね
)
をむしられる
鷄
(
にはとり
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ますと、
父
(
とう
)
さんはお
腹
(
なか
)
の
中
(
なか
)
でハラ/\しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
死罪
(
しざい
)
の
事
(
こと
)
を
追放
(
つゐはう
)
といはッしゃるは、
黄金
(
わうごん
)
の
斧鉞
(
まさかり
)
で
予
(
わし
)
の
首
(
くび
)
を
刎
(
は
)
ねておいて、
汝
(
そち
)
は
幸福
(
しあはせ
)
ぢゃと
笑
(
わら
)
うてござるやうなものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
或
(
あるひ
)
はマンロー
氏
(
し
)
の
大發掘
(
だいはつくつ
)
では
有
(
あ
)
るまいかと、
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
けながら
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、それは
土方氏
(
どかたし
)
の
非學術的大發掘
(
ひがくじゆつてきだいはつくつ
)
であつた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
最
(
もつと
)
も
左樣
(
さう
)
する
前
(
まへ
)
に
老人
(
らうじん
)
と
小聲
(
こゞゑ
)
で
一寸
(
ちよつ
)
と
相談
(
さうだん
)
があつたらしく、
金貸
(
かねかし
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は『
勿論
(
もちろん
)
のこと』と
言
(
い
)
ひたげな
樣子
(
やうす
)
を
首
(
くび
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
で
見
(
み
)
せてたのであつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『まあ
見事
(
みごと
)
な
百合
(
ゆり
)
の
花
(
はな
)
……。』
私
(
わたくし
)
は
覚
(
おぼ
)
えずそう
叫
(
さけ
)
んで、
巌間
(
いわま
)
から
首
(
くび
)
をさし
出
(
だ
)
していた
半開
(
はんかい
)
の
姫百合
(
ひめゆり
)
を
手折
(
たお
)
り、
小娘
(
こむすめ
)
のように
頭髪
(
かみ
)
に
挿
(
さ
)
したりしました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大伴
(
おほとも
)
の
大納言
(
だいなごん
)
には
龍
(
たつ
)
の
首
(
くび
)
についてゐる
五色
(
ごしき
)
の
玉
(
たま
)
、
石上
(
いそのかみ
)
の
中納言
(
ちゆうなごん
)
には
燕
(
つばめ
)
のもつてゐる
子安貝
(
こやすがひ
)
一
(
ひと
)
つといふのであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
硝子天井は、
容赦
(
ようしゃ
)
なく僕の頭をおさえつける。僕はさっきから無理な姿勢をとり
首
(
くび
)
を横にまげて泳いでいるので、
頸
(
くび
)
の
筋
(
すじ
)
がひきつって痛くてたまらない。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
件
(
くだん
)
の如き
首
(
くび
)
っ
枷
(
かせ
)
の芸当を以て京の町外れまで一散に走りましたが、そこで、米友は、がんりきの肩から下り、がんりきは
脚絆
(
きゃはん
)
の
紐
(
ひも
)
を結び直したけれども
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
六郎が父の
首
(
くび
)
は人々持ちかえりしが、彼素肌にてつき殺されし人は、ずだずだに
切
(
き
)
られて、頭さえ
砕
(
くだ
)
けたりき。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此處
(
こゝ
)
は
地球上
(
ちきゆうじやう
)
の
何
(
いづ
)
れの
邊
(
へん
)
に
當
(
あた
)
つて
居
(
を
)
るだらうと、
二人
(
ふたり
)
は
首
(
くび
)
を
捻
(
ひね
)
つて
見
(
み
)
たが
少
(
すこ
)
しも
分
(
わか
)
らない。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
考
(
かんがへ
)
では。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何處
(
どこ
)
からか
斯
(
か
)
うお
前
(
まへ
)
のやうな
人
(
ひと
)
が
己
(
お
)
れの
眞身
(
しんみ
)
の
姉
(
あね
)
さんだとか
言
(
い
)
つて
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たらどんなに
嬉
(
うれ
)
しいか、
首
(
くび
)
つ
玉
(
たま
)
へ
噛
(
かじ
)
り
着
(
つ
)
いて
己
(
お
)
れはそれぎり
往生
(
わうじやう
)
しても
喜
(
よろこ
)
ぶのだが
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
虐待
(
ぎやくたい
)
はずゐぶん
酷
(
ひど
)
いやうです。
或晩
(
あるばん
)
なぞ、
鉄瓶
(
てつびん
)
の
煮湯
(
にえゆ
)
をぶつかけて、
首
(
くび
)
のあたりへ
火焦
(
やけど
)
をさしたんでせう。さすがに
驚
(
おどろ
)
いて、
私
(
わたし
)
のところへやつて
来
(
き
)
たんです。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「閣下、鞭など使はずに、あんな悪魔は、すぐ
首
(
くび
)
を
叩
(
たた
)
つきつておしまひなされば、ようございましたのに!」
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
『いや
貴方
(
あなた
)
は。
困
(
こま
)
つたな、まあお
聞
(
き
)
きなさい。』と、
院長
(
ゐんちやう
)
は
寐臺
(
ねだい
)
の
傍
(
そば
)
の
腰掛
(
こしかけ
)
に
掛
(
か
)
けて
責
(
せむ
)
るがやうに
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と、
首
(
くび
)
をひねりました。どの
店
(
みせ
)
のかんばんをながめても、
店
(
みせ
)
さきにならんでいるしなものをみても、かいてあることばが、さっぱりよめないではありませんか。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
そして、——
寢
(
ね
)
てはならん‥‥と、一
所懸命
(
しよけんめい
)
に
考
(
かんが
)
へてはゐながら、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にかトロリと
瞼
(
まぶた
)
が
落
(
お
)
ちて、
首
(
くび
)
がガクリとなる。
足
(
あし
)
がくたくたと
折
(
を
)
れ
曲
(
まが
)
るやうな
氣
(
き
)
がする。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
末
(
すゑ
)
には
最
(
も
)
う「
初雪
(
はつゆき
)
やせめて
雀
(
すゞめ
)
の三
里
(
り
)
まで」どころではない
雀
(
すゞめ
)
が
首
(
くび
)
つたけになるほど雪が
積
(
つも
)
りました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
棒
(
ばう
)
のさきには、
鎧
(
よろい
)
をきたサムライや、
赤
(
あか
)
い
振袖
(
ふりそで
)
をきたオイランがだらりと
首
(
くび
)
も
手
(
て
)
をたれてゐました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
さうして温かい
苅麥
(
かりむぎ
)
のほめきに、赤い
首
(
くび
)
の螢に、或は青いとんぼの眼に、黒猫の美くしい毛色に
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
子家鴨
(
こあひる
)
は
今
(
いま
)
までにそんな
鳥
(
とり
)
を
全
(
まった
)
く
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
がありませんでした。それは
白鳥
(
はくちょう
)
という
鳥
(
とり
)
で、みんな
眩
(
まばゆ
)
いほど
白
(
しろ
)
く
羽
(
はね
)
を
輝
(
かがや
)
かせながら、その
恰好
(
かっこう
)
のいい
首
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げたりしています。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
A ウン、あれは
俺
(
おれ
)
のぢやないけれど、
斯
(
か
)
ういふんだ。『
君
(
きみ
)
が
代
(
よ
)
の
社頭
(
しやとう
)
の
松
(
まつ
)
に
首
(
くび
)
くくり』さ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
其
(
それ
)
は
永遠
(
えいえん
)
に
解
(
と
)
けない
宇宙
(
うちう
)
の
謎
(
なぞ
)
でもあるかのやう。友と私とは
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れて工場の前を
通過
(
とほりす
)
ぎた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
十
兩
(
りやう
)
以上
(
いじやう
)
の
盜賊
(
たうぞく
)
でなくても、
首
(
くび
)
は
繋
(
つな
)
がらなかつた。
死刑
(
しけい
)
は
連日
(
れんじつ
)
行
(
おこな
)
はれた。
彼
(
か
)
れが
月番
(
つきばん
)
の
時
(
とき
)
は、
江戸
(
えど
)
なら
淺右衞門
(
あさゑもん
)
ともいふべき
首斬
(
くびき
)
り
役
(
やく
)
の
刃
(
やいば
)
に、
血
(
ち
)
を
塗
(
ぬ
)
らぬ
日
(
ひ
)
とてはなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
エーと、が、それのみにては
御慰
(
おなぐさ
)
みが薄い様にござります。か
様
(
よう
)
に斬りさいなみましたる少女の首を、ザックリ、切断致し、これなるテーブルの上に、
晒
(
さら
)
し
首
(
くび
)
とござあい。ハッ
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
将門が醍醐の開基理源大師の
法力
(
ほふりき
)
で
縛
(
いまし
)
められ、
梟
(
さら
)
し
首
(
くび
)
に遭つたのを残念がつて、首が空を飛んで来たのを拾つたのだといふが、事に依つたら、大師が
申請
(
まをしう
)
けたのかも知れない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ペンペは
少
(
すこ
)
し
首
(
くび
)
を
縮
(
ちぢ
)
めた。二千メートルの
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
だ。ペンペは
息
(
いき
)
をはづませてゐる。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
弥八 (得物を投じ、長脇差へ手をかける)
抵抗
(
てむか
)
いすると、
素
(
そ
)
ッ
首
(
くび
)
を、叩き落すぞ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
棚
(
たな
)
から
落
(
お
)
ちる
牡丹
(
ぼた
)
餅
(
もち
)
を
待
(
ま
)
つ
者
(
もの
)
よ、
唐様
(
からやう
)
に
巧
(
たく
)
みなる
三代目
(
さんだいめ
)
よ、
浮木
(
ふぼく
)
をさがす
盲目
(
めくら
)
の
亀
(
かめ
)
よ、
人参
(
にんじん
)
呑
(
の
)
んで
首
(
くび
)
縊
(
く〻
)
らんとする
白痴
(
たはけ
)
漢
(
もの
)
よ、
鰯
(
いわし
)
の
頭
(
あたま
)
を
信心
(
しん/″\
)
するお
怜悧
(
りこう
)
連
(
れん
)
よ、
雲
(
くも
)
に
登
(
のぼ
)
るを
願
(
ねが
)
ふ
蚯蚓
(
み〻ず
)
の
輩
(
ともがら
)
よ
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
“首”の解説
くび(首、頸, neck)とは頸部(けいぶ)、すなわち、人体において頭(頭部)と胴体をつなぐ部位である。
日本語ではまた、頭部そのものを指す場合もある。
(出典:Wikipedia)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
“首”を含む語句
首肯
匕首
首領
船首
梟首
首引
首級
頸首
乳首
首尾
猪首
首府
馘首
首縊
俛首
首飾
首里
襟首
頓首
落首
...