“下頤”の読み方と例文
読み方割合
したあご100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毎年夏から秋へかけて、陽気の変り目に右の下頤したあごの虫歯が痛んで困るのであるが、昨夜あたりから少しズキズキし出したようである。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
紳士 口でな、う其の時から。毒蛇どくじゃめ。上頤うわあご下頤したあごこぶし引掛ひっかけ、透通すきとおる歯とべにさいた唇を、めりめりと引裂ひきさく、売婦ばいた。(足を挙げて、枯草かれくさ踏蹂ふみにじる。)
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
面は下頤したあごにガーンと、したたか激しい打撃を喰って、ッと叫ぶ間もなく、その場へ昏倒してしまった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)