“角火鉢”の読み方と例文
読み方割合
かくひばち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛之助が床に這入って、仰向きになって煙草を吸っていると、その枕下の桑(くわ)の角火鉢(かくひばち)によりかかる様にして、芳江は何かと話しかけるのであった。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし不思議な事に、この態度は、しかつめらしく彼の着席を待ち受ける座蒲団や、二人の間を堰(せ)くためにわざと真中に置かれたように見える角火鉢(かくひばち)ほど彼の気色(きしょく)に障(さわ)らなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紺(こん)のあつしをセルの前垂れで合せて、樫(かし)の角火鉢(かくひばち)の横座(よこざ)に坐った男が眉(まゆ)をしかめながらこう怒鳴(どな)った。人間の顔——殊(こと)にどこか自分より上手(うわて)な人間の顔を見ると彼れの心はすぐ不貞腐(ふてくさ)れるのだった。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)