トップ
>
縫
>
ぬひ
ふりがな文庫
“
縫
(
ぬひ
)” の例文
張箍
(
はりわ
)
の
女袴
(
をんなばかま
)
を
穿
(
は
)
いた
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
橡
(
とち
)
の
木
(
き
)
よ、
三葉形
(
みつばがた
)
の
縫
(
ぬひ
)
を置いて、鳥の
羽根
(
はね
)
の飾をした
上衣
(
うはぎ
)
を
曳
(
ひき
)
ずる
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
大柄
(
おほがら
)
で
權高
(
けんだか
)
で、
無益
(
むやく
)
の
美形
(
びけい
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
地合
(
ぢあひ
)
は永久、
縫
(
ぬひ
)
もまた永久だ。われらが死ねば宇宙も死ぬ。別の生物が別の情感をもつて世界に現はれる時、別の宇宙が生れる。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
其傍
(
そのそば
)
に
縫
(
ぬひ
)
子が
袖
(
そで
)
の長い着物を
着
(
き
)
て、例の
髪
(
かみ
)
を肩迄掛けて
立
(
た
)
つてゐた。代助は
縫
(
ぬひ
)
子の
髪
(
かみ
)
を見るたんびに、ブランコに
乗
(
の
)
つた縫子の
姿
(
すがた
)
を思ひ
出
(
だ
)
す。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
桂次
(
けいじ
)
が
今
(
いま
)
をる
此許
(
こゝもと
)
は
養家
(
やうか
)
の
縁
(
ゑん
)
に
引
(
ひ
)
かれて
伯父
(
をぢ
)
伯母
(
をば
)
といふ
間
(
あひだ
)
がら
也
(
なり
)
、はじめて
此家
(
このや
)
へ
來
(
き
)
たりしは十八の
春
(
はる
)
、
田舍縞
(
いなかじま
)
の
着物
(
きもの
)
に
肩
(
かた
)
縫
(
ぬひ
)
あげをかしと
笑
(
わら
)
はれ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
死人の
頸
(
くび
)
に卷いたのは、皮肉なことに、同じ部屋に居眠して居たお村の赤い
細紐
(
ほそひも
)
で、蒲團の
裾
(
すそ
)
の方には、立派な
縫
(
ぬひ
)
つぶしの紙入れが一つ落ちて居ります。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
忘
(
わす
)
れもしねえだ、
若奥様
(
わかおくさま
)
は、
綺麗
(
きれい
)
な
縫
(
ぬひ
)
の
肩掛
(
かたかけ
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つてよ。
紫
(
むらさき
)
がゝつた
黒
(
くろ
)
い
処
(
ところ
)
へ、一
面
(
めん
)
に、はい、
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
びらのちら/\かゝつた、コートをめしてな。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
船に来る
商人
(
あきびと
)
の荷をベツカの君と見歩き
候
(
さふら
)
ひしが、鈴木に掛け合はさせ、
縫
(
ぬひ
)
入れの壁掛二枚を買ひ申し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
...
浄衣
(
じやうえ
)
その外智月と(百樹云、大津の米屋の母、翁の門人)乙州が妻
縫
(
ぬひ
)
たてゝ着せまゐらす』又曰『二千
余
(
よ
)
人の
門葉辺遠
(
もんえふへんゑん
)
ひとつに
合信
(
かつしん
)
する
因
(
ちなみ
)
と
縁
(
えん
)
との
不可思議
(
ふかしぎ
)
いかにとも
勘破
(
かんは
)
しがたし』
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
探
(
さぐ
)
るに女の身なれば多くの人に
交際
(
まじは
)
るには遊女に
如事
(
しくこと
)
なし彼の
節
(
せつ
)
幸之進殿
所持
(
しよぢ
)
せられし大小印形に
勿論
(
もちろん
)
衣類紙入
胴卷
(
どうまき
)
は妾が
縫
(
ぬひ
)
たれば覺えあり是を證據に神佛へ
誓
(
ちか
)
ひを掛け尋ね出し敵を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうしては
其
(
そ
)
の
踊
(
をどり
)
の
手
(
て
)
を
反覆
(
はんぷく
)
しつゝ
徐
(
おもむ
)
ろに
太鼓
(
たいこ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
廻
(
めぐ
)
る。
女
(
をんな
)
は
袖
(
そで
)
を
長
(
なが
)
く
見
(
み
)
せる
爲
(
ため
)
に
手拭
(
てぬぐひ
)
を
折
(
を
)
つて
兩方
(
りやうはう
)
の
袂
(
たもと
)
の
先
(
さき
)
へ
縫
(
ぬひ
)
つけて、それから
扱帶
(
しごき
)
を
襷
(
たすき
)
にして
結
(
むす
)
んだ
長
(
なが
)
い
端
(
はし
)
を
後
(
うしろ
)
へだらりと
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
黒縮緬
(
くろちりめん
)
の羽織に
夢想裏
(
むそううら
)
に
光琳風
(
こうりんふう
)
の春の野を
色入
(
いろいり
)
に染めて、
納戸縞
(
なんどじま
)
の御召の下に
濃小豆
(
こいあづき
)
の
更紗縮緬
(
さらさちりめん
)
、
紫根七糸
(
しこんしちん
)
に
楽器尽
(
がつきつくし
)
の昼夜帯して、
半襟
(
はんえり
)
は色糸の
縫
(
ぬひ
)
ある肉色なるが、
頸
(
えり
)
の白きを
匂
(
にほ
)
はすやうにて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
金絲
(
きんし
)
の
縫
(
ぬひ
)
を
捌
(
さば
)
くかな
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「
縫
(
ぬひ
)
あげするさ」
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
縫
(
ぬひ
)
といふ
娘
(
むすめ
)
は、何か云ふと、
好
(
よ
)
くつてよ、知らないわと答へる。さうして日に何遍となくリボンを掛け易へる。近頃はヷイオリンの稽古に行く。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
流轉
(
るてん
)
の
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ
合
(
あ
)
はせては、
姫
(
ひめ
)
と
呼
(
よ
)
ばれしことも
無
(
な
)
けれど、
面影
(
おもかげ
)
みゆる
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
縫
(
ぬひ
)
もよう、
母
(
はゝ
)
が
形見
(
かたみ
)
か
地赤
(
ぢあか
)
の
色
(
いろ
)
の、
褪色
(
あせ
)
て
殘
(
のこ
)
るも
哀
(
あはれ
)
いたまし、
住
(
す
)
む
所
(
ところ
)
は
何方
(
いづく
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
表向は殺されたお町の代り、病人の世話をするといふ名儀ですが、實は、お
縫
(
ぬひ
)
や世之次郎をはじめ、
雇人
(
やとひにん
)
全部を見張る爲、お品の骨折も一通りではありません。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
...
浄衣
(
じやうえ
)
その外智月と(百樹云、大津の米屋の母、翁の門人)乙州が妻
縫
(
ぬひ
)
たてゝ着せまゐらす』又曰『二千
余
(
よ
)
人の
門葉辺遠
(
もんえふへんゑん
)
ひとつに
合信
(
かつしん
)
する
因
(
ちなみ
)
と
縁
(
えん
)
との
不可思議
(
ふかしぎ
)
いかにとも
勘破
(
かんは
)
しがたし』
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何方なりやと
尋
(
たづ
)
ねるに
頬
(
ほゝ
)
より
口
(
くち
)
まで一ヶ所二の
腕
(
うで
)
四寸ばかり
突疵
(
つききず
)
之あり
兩處
(
りやうしよ
)
ともに
縫
(
ぬひ
)
候と申ければ夫にて
分明
(
わかり
)
たりとて
其段
(
そのだん
)
申
立
(
たて
)
しかば大岡
殿
(
どの
)
暫時
(
ざんじ
)
考
(
かんが
)
へられ
非人小屋
(
ひにんごや
)
又は大寺の
縁
(
えん
)
の下其
外
(
ほか
)
常々
(
つね/″\
)
人の
住
(
すま
)
ぬ
明堂
(
あきだう
)
などに心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
心
(
こゝろ
)
よわげなれど
誰
(
た
)
れもこんな
物
(
もの
)
なるべし、
今
(
いま
)
から
歸
(
かへ
)
るといふ
故郷
(
ふるさと
)
の
事
(
こと
)
養家
(
やうか
)
のこと、
我身
(
わがみ
)
の
事
(
こと
)
お
作
(
さく
)
の
事
(
こと
)
みなから
忘
(
わす
)
れて
世
(
よ
)
はお
縫
(
ぬひ
)
ひとりのやうに
思
(
おも
)
はるゝも
闇
(
やみ
)
なり
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
足を洗つて奧へ通されると、内儀のお
縫
(
ぬひ
)
が待ち構へて、お茶よ、お菓子よとあわたゞしいことです。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
芝居の
中
(
なか
)
では、
嫂
(
あによめ
)
も
縫
(
ぬひ
)
子も非常に熱心な
観客
(
けんぶつ
)
であつた。代助は二返
目
(
め
)
の
所為
(
せゐ
)
といひ、此
三四日来
(
さんよつからい
)
の脳の状態からと云ひ、
左様
(
さう
)
一図に舞台ばかりに気を
取
(
と
)
られてゐる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
い
)
かなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御自分
(
ごじぶん
)
はかくし
給
(
たま
)
へども、
他所行着
(
よそゆきぎ
)
のお
袂
(
たも
)
より
縫
(
ぬひ
)
とりべりの
手巾
(
はんけち
)
を
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
したる
時
(
とき
)
の
憎
(
に
)
くさ、
散々
(
さん/″\
)
といぢめていぢめて、
困
(
いぢ
)
め
拔
(
ぬ
)
いて、
最
(
も
)
う
是
(
こ
)
れからは
決
(
けつ
)
して
行
(
ゆ
)
かぬ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
銀町
(
しろがねちやう
)
の店には、
養
(
やしな
)
ひ娘のお
縫
(
ぬひ
)
といふ十九になる女と、手代ともなく引取られて居る
甥
(
をひ
)
の世之次郎とが、年寄の世話をやいて居りますが、何方も財産目當ての孝行らしくて
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これにも
膓
(
はらわた
)
はたゝるべき
聲
(
こゑ
)
あり、
勝沼
(
かつぬま
)
よりの
端書
(
はがき
)
一度とゞきて四日目にぞ七
里
(
さと
)
の
消印
(
けしいん
)
ある
封状
(
ふうじやう
)
二つ、一つはお
縫
(
ぬひ
)
へ
向
(
む
)
けてこれは
長
(
なが
)
かりし、
桂次
(
けいじ
)
はかくて
大藤村
(
おほふじむら
)
の
人
(
ひと
)
に
成
(
な
)
りぬ。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「親分も御存じでせう、三國屋の二人娘といはれた、お
縫
(
ぬひ
)
とお萬のことを」
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
とせん
道
(
みち
)
を
間違
(
まちが
)
へたり
引返
(
ひきかへ
)
してと
復
(
また
)
跡戻
(
あともど
)
り、
大路
(
おほぢ
)
に
出
(
いづ
)
れば
小路
(
こうぢ
)
に
入
(
い
)
らせ
小路
(
こうぢ
)
を
縫
(
ぬひ
)
ては
大路
(
おほぢ
)
に
出
(
い
)
で
走
(
そう
)
幾走
(
いくそう
)
、
轉
(
てん
)
幾轉
(
いくてん
)
、
蹴
(
け
)
立
(
たつ
)
る
雪
(
ゆき
)
に
轍
(
わだち
)
のあと
長
(
なが
)
く
引
(
ひき
)
てめぐり
出
(
いづ
)
れば
又
(
また
)
以前
(
いぜん
)
の
道
(
みち
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
五十前後の内儀お
縫
(
ぬひ
)
は、主人彦太郎の後ろから
愼
(
つゝま
)
しく顏を出しました。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
乘
(
の
)
り
入
(
い
)
れし
車
(
くるま
)
は
確
(
たし
)
かに
香山家
(
かやまけ
)
の
物
(
もの
)
なりとは、
車夫
(
しやふ
)
が
被布
(
はつぴ
)
の
縫
(
ぬひ
)
にも
知
(
し
)
れたり、十七八と
見
(
み
)
えしは
美
(
うつ
)
くしさの
故
(
ゆゑ
)
ならんが、
彼
(
あ
)
の
年齡
(
としごろ
)
の
娘
(
むすめ
)
ほかに
有
(
あ
)
りとも
聞
(
き
)
かず、
噂
(
うは
)
さの
令孃
(
ひめ
)
は
彼
(
あ
)
れならん
彼
(
あ
)
れなるべし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いえ、違ひます。お綺麗なのは納さんで、私は
縫
(
ぬひ
)
と申します」
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
學士
(
がくし
)
が
出立後
(
しゆつたつご
)
の一日二日より
爲
(
す
)
る
處業
(
しよげう
)
どことなく
大人
(
をとな
)
びて
今
(
いま
)
までの
樣
(
やう
)
に
我
(
わが
)
まヽも
言
(
い
)
はず、
縫
(
ぬひ
)
はり
仕事
(
しごと
)
よみ
書
(
かき
)
の
外
(
ほか
)
、
以前
(
いぜん
)
に
増
(
ま
)
して
身
(
み
)
をつヽしみ
誘
(
さそ
)
ふ
人
(
ひと
)
ありとも
人寄
(
ひとよ
)
せ
芝居
(
しばい
)
の
浮
(
う
)
きし
事
(
こと
)
に
足
(
あし
)
も
向
(
む
)
けねば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
縫
常用漢字
中学
部首:⽷
16画
“縫”を含む語句
裁縫
縫針
縫箔
縫合
縫物
裁縫師
手縫
無縫塔
縫直
縁縫
縫殿介
縫目
縫箔屋
笠縫
縫取
縫殿助
縫糸
縫工
裁縫屋
裁縫物
...