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大藤村
読み方 | 割合 |
おほふぢむら | 50.0% |
おほふじむら | 50.0% |
我が
養家は
大藤村の
中萩原とて、
見わたす
限りは
天目山、
大菩薩峠の
山〻峰〻垣をつくりて、
西南にそびゆる
白妙の
富士の
嶺は、をしみて
面かげを
示めさねども
すて
筆ながく
引いて
見ともなかりしか
可笑し、
桂次は
東京に
見てさへ
醜るい
方では
無いに、
大藤村の
光る
君歸郷といふ
事にならば、
機塲の
女が
白粉のぬりかた
思はれると
此處にての
取沙汰
これにも
膓はたゝるべき
聲あり、
勝沼よりの
端書一度とゞきて四日目にぞ七
里の
消印ある
封状二つ、一つはお
縫へ
向けてこれは
長かりし、
桂次はかくて
大藤村の
人に
成りぬ。