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おほふぢむら
我が
養家は
大藤村の
中萩原とて、
見わたす
限りは
天目山、
大菩薩峠の
山〻峰〻垣をつくりて、
西南にそびゆる
白妙の
富士の
嶺は、をしみて
面かげを
示めさねども
すて
筆ながく
引いて
見ともなかりしか
可笑し、
桂次は
東京に
見てさへ
醜るい
方では
無いに、
大藤村の
光る
君歸郷といふ
事にならば、
機塲の
女が
白粉のぬりかた
思はれると
此處にての
取沙汰
大藤村にお
作が
夢ものどかなるべし、四月の十五日
歸國に
極まりて
土産物など
折柄日清の
戰爭畫、
大勝利の
袋もの、ぱちん
羽織の
紐、
白粉かんざし
櫻香の
油、
縁類廣ければとり/″\に
香水