“縫目”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬいめ69.2%
ぬひめ30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母は縫目ぬいめをくけながら子を見てそういった。子は黙って眼を大きく開けると再び鉄壜のふた取手とってを指で廻し始めた。母はまたいった。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
何品でしたか、鼠色ねずみいろで一面に草花の模様でした。袖口そでぐちだけ残して、桃色の太白たいはく二本で、広く狭く縫目ぬいめを外にしてありました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
あるじの君よく聞きわけて給へ。我もしあやしき物ならば、此の二二六しげきわたりさへあるに、二二七かうのどかなるひるをいかにせん。二二八きぬ縫目ぬひめあり、日にむかへば影あり。
水船から這ひ上がつて、半身ぐしよ濡れのまゝ縛られたのでせう、腰から下は生濕なまじめりのまゝ、折目も縫目ぬひめも崩れて、むしろの上にしよんぼり坐つたお蔦は、妙に平次の感傷をそゝります。