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突疵
露地の出口の
溝の中、さして深くもない中に、横倒れに
陥って死んでいたのは
茶缶婆で、胸に
突疵がある。さては赤熊が片附けた。
一
處に
歩いて
話しはしても
居たらうなれど、
切られたは
後袈裟、
頬先のかすり
疵、
頭筋の
突疵など
色々あれども、たしかに
逃げる
處を
遣られたに
相違ない、
引かへて
男は
美事な
切腹
何方なりやと
尋ねるに
頬より
口まで一ヶ所二の
腕四寸ばかり
突疵之あり
兩處ともに
縫候と申ければ夫にて
分明たりとて
其段申
立しかば大岡
殿暫時考へられ
非人小屋又は大寺の
縁の下其
外常々人の
住ぬ
明堂などに心を